リハビリ専門病院とは?

リハビリ専門病院とは?

リハビリ専門病院とは、どんなところ?
リハビリ専門病院は何をしてくれるところ?

「リハビリ専門病院」と聞いてもあまりピンとこない方もいるでしょう。

上記のような病院は、「回復期リハビリテーション病棟」と呼ばれる病棟を指します。

今回の記事では、いわゆるリハビリ専門病院である、回復期リハビリテーション病棟について解説していきます。

リハビリ専門病院とは?

回復期リハビリテーション病棟と呼ばれ、手術や病気になってすぐの状態を抜け出した方が、対象になる病棟です。入院できる対象の疾患や日数、条件などがあり、厚生労働省により決められています。また、入棟するためには、医師による判断が必要になります。

入院できる期間

回復期リハビリテーション病棟に入院できる期間は、疾患によって決まっています。脳梗塞や脊髄損傷など、神経系の病気や怪我であれば150~180日、大腿骨や骨盤、背骨の骨折などは、90日間の入院期間になります。

症状が回復すれば、もっと早い期間で自宅に退院することも可能ですが、高齢者などの場合でリハビリなどの治療が長引いてしまうと、回復期リハビリテーション病棟から別の施設などへの転院も考えられます。

また、症状が落ち着いて、回復期リハビリテーション病棟に移動になったとしても、状態の悪化が見られ、積極的な治療が必要になった場合は、再び急性期病棟に移動になる可能性もあります。

回復期リハビリテーション病棟の取り組みの特徴

回復期リハビリテーション病棟で特徴的なことは、リハビリを多くできることです。

怪我や病気、手術をしてすぐの状態の急性期病棟では、病状が不安定だったり、炎症が強かったりするため、積極的なリハビリを行えないことがあります。

その点、回復期リハビリテーション病棟では、状態が落ち着いた人が多くいますので、積極的にリハビリを行うことができます。また、周囲の人も、状態が落ち着いている人が多いため、互いに情報交換ができたり、励まし合いながら自主練習ができたり、積極的にリハビリをして身体機能を回復させ、自宅により良い形で戻ろうとする雰囲気があります。

リハビリは1日最大3時間行うことができ、関わるスタッフは早番や遅番など、様々な時間帯に出勤し、それぞれの時間帯で患者さんに関わってくれることがあります。

そのため、入院期間を通して、様々な時間帯にリハビリが提供されます。また、リハビリ以外の職種も、患者さんが自宅に帰れるようになるにはどうすれば良いのか、という視点で関わってくれるため、多職種のサポートのもと、身体機能の向上を目指していけるのです。

看護師さんや介護士さんもトイレやお風呂などの介助をしつつも、その時の情報を他の職種に伝え、病棟スタッフ全員で情報共有をしていきます。そのため、患者さんの状態の変化にいち早く気づき、対応することが可能です。

退院前にご自宅に伺うこともあります

病気や怪我などで後遺症が残ってしまい、自宅での生活が本当にできるのか不安な方や、自宅で手すりや段差など、どのような福祉用具を導入した方が良いのかわからないといった方のために、退院前に患者さんと一緒にご自宅に訪問し、自宅での動作をイメージしながら福祉用具の導入や動作の練習などを一緒に行うこともあります。

退院前に、専門職と実際に生活する自宅の環境を調整することができるので、後遺症が残っている状態だとしても、安心して退院後の生活を組み立てることができます。

介護保険を使ったサービスの調整も行います

退院後に、介護保険のサービスが必要になる方もいます。そのような場合も、多職種とご家族、患者さんご本人も交えて会議を行い、退院後の生活イメージを伝えつつ、必要なサービスについて話合います。そこで決まったプランに基づき、医療相談員やケアマネジャーが連携し、サービスを調整していきます。医療相談員だけでなく、リハビリスタッフや看護師もケアマネージャーと情報交換をすることもあります。

このように、退院するまでのサービス調整にも多職種で関わっていきます。

回復期リハビリテーション病棟で働くスタッフ達

回復期リハビリテーション病棟では多くのスタッフが働いています。

患者さんを中心として、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護士、医療相談員などがチームを組み、患者さんの自宅復帰を目指しています。

このように多職種が関わり、一丸となって治療を提供していくことを、「チーム医療」と呼びます。

チーム医療がうまく機能している病院だと、より良い選択肢が提供されたり、情報共有がスムーズだったりするため、普段の入院生活の満足度が高いだけでなく、退院後の生活も不都合なく暮らせる可能性が高いです。

まとめ

今回の記事では、リハビリ専門病院である、回復期リハビリテーション病棟について解説してきました。

回復期リハビリテーション病棟では、様々な職種がチームとなって患者さんに関わります。そのため、情報共有が速く、患者さんの状態変化にも気づきやすい病棟です。手厚くリハビリも受けられるため、身体機能の回復にも拍車がかかるでしょう。

色々なスタッフを頼りながら、より良い治療を受けてください。

参考文献

・一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会:回復期リハビリテーション病棟とは
資料