自宅でできるリハビリ体操について解説

自宅でできるリハビリ体操について解説

リハビリでいろいろな体操を指導されるけど、自宅ではなかなかできない。

自主練習を指導されたけど、どうしてもサボってしまう。

リハビリに通われている方は、このような悩みを持っている人も少なくはないでしょう。

今回の記事では、症状別に自宅でできるリハビリ体操について解説していきます。

今回ご紹介する体操は下記の症状に有効な体操です。

・肩こり
・腰痛
・膝の痛み

それぞれ解説していきます。

肩こりのリハビリ体操

肩こりの8割は、僧帽筋と言われる筋肉が原因と言われています。

肩こりの原因は様々なものが言われていますが、結局は筋肉の血流低下によって肩こりが生じます。そのため、筋肉の血流をいかに良くするかということが、ポイントになります。

ここでは、肩甲骨のストレッチと僧帽筋のストレッチをご紹介していきます。

肩甲骨のストレッチ

肩甲骨を動的にストレッチしていく方法です。

  1. 肘を曲げ、肩に手を置きます
  2. 肘を曲げた状態で手を支点として肩を大きく回します
  3. 前回り・後ろ回りそれぞれ20回ずつ行います

ポイントは、少しおおげさなくらい大きく肩を大きく回すということです。

大きく回すことにより、背中にある肩甲骨が大きく動きます。

肩甲骨が大きく動くことにより、肩甲骨の回りの筋肉の血流が良くなっていき、痛みやコリを取り除いていきます。

もし肩に痛みが出る場合は、動きを小さくしたり、痛みが出るポイントを避けたりして、肩を動かすようにしてください。

座っている姿勢でも立っている姿勢でもこの体操はできますので、肩こりを感じたら体操を行いましょう。

僧帽筋のストレッチ

僧帽筋は後頭部から肩、背中にかけて広がる菱形の筋肉です。僧帽筋は上部繊維、中部繊維、下部繊維に分かれており、特に肩こりの原因になるのは上部繊維です。

ここでは、僧帽筋上部繊維のストレッチについて解説していきます。

  1. 右手を後頭部にかけ、下を向くようにします
  2. 下を向いたところから左下を見るように、首を左に少し回旋させます
  3. 後頭部~左首にかけて筋肉が伸びているのを感じたらOKです
  4. その状態を20秒程度保持します
  5. ストレッチが終了したら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります
  6. この流れを反対側も行います
  7. 上記の流れで3セットほどストレッチを行います

ポイントは、ストレッチを行うときに反動をつけないことです。

反動をつけてしまうと、筋肉に対して大きなストレスがかかってしまい、筋肉を痛めてしまう原因になります。ゆっくりと動作を行うようにしましょう。

また、頭に手を置きますが、過剰に引っ張る力はかけなくても大丈夫です。手の重さを利用して、首をストレッチしていきます。

もし首のストレッチを行なっていて、強い痛みや手の痺れを感じるようであれば、すぐに中止し医師に相談してみてください。

腰痛のストレッチ

腰痛の原因の多くは、腰回りの筋肉の硬さだと言われています。仕事の関係で腰を酷使したり、ずっと座っていたりする場合は、腰の筋肉に負担がかかっている可能性があります。ストレッチをして、腰をすっきりとさせていきましょう。

  1. 仰向けに寝ます
  2. 左手を横に大きく広げ、左足を体の右側へ持っていきます
  3. このとき、左足を右手で持ち固定します
  4. 顔は左に向けて背骨がねじれるようにします
  5. この状態を20秒間保持します
  6. 反対側も同様に行います
  7. 上記の流れを3セット程度行います

ポイントは、痛みが強くならない程度に行うことです。

ストレッチは強い力で痛みに耐えながら行うものと、軽い痛みが出る程度のものでは、効果に差がないことがわかっています。そのため、強くストレッチを行なったとしても効果は変わりないので、痛みが出る手前~少し痛いくらいのストレッチで止めるようにしておきましょう。

また、ヘルニアや腰の骨の変形がある人の場合では、上記のストレッチを行うことにより、足に痺れが出る可能性があります。もし痺れが出てしまった場合には、無理をせずストレッチを中止し、医師に相談してみましょう。

膝の痛み

膝に痛みが生じ、水が溜まるようになってしまう方もいるかもしれません。そのような状態になってしまうと、膝の筋力が落ちてきます。膝の筋力が落ちると、さらに膝が不安定になり、痛みが強くなるという悪循環に陥ります。

そこで、膝に痛みが出始めた人に対しては、膝の筋トレを行なっていきます。

  1. 椅子に良い姿勢で腰掛けます
  2. 膝の下に丸めたバスタオルなどのクッションを置きます
  3. 良い姿勢のまま、膝をしっかりと伸ばしていきます
  4. 膝のすぐ上の内側に力が入っていればOKです
  5. 痛みが出ないようであれば、椅子の足と膝下にゴムを引っ掛けて負荷をかけていきます
  6. 上記の運動を、少し疲れる程度まで行います
  7. 反対も同様に行います

ポイントは、良い姿勢を保つということです。特に膝を伸ばそうとすると、体が後ろに倒したくなってしまいます。体の構造上の問題なので、どうしても体を後ろに倒したくなりますが、手を使ってサポートをしても良いので、良い姿勢を保つようにしてください。特に、骨盤が後ろに倒れないようにすることが重要です。

まとめ

今回の記事では、自宅でできるリハビリ体操について解説してきました。

外来にてリハビリを行なっている方では、通院が大変だったり、通うのが面倒くさくなってしまったりすることがありますよね。

自宅でリハビリが完結したらどれほど楽だろうと、考えたことがある人もいるかもしれません。

今回ご紹介した体操はごく一部ですが、リハビリの担当とよく相談し、自宅で行えるトレーニングについて指導してもらうと、リハビリの効果がさらに出る可能性もあります。

自宅でもしっかりとリハビリに取り組み、リハビリの効果を最大にしていきましょう。