骨粗鬆症外来

テレビで取材された「最新の骨粗鬆症診療」

当院グループ総院長がTVで取材されました。

骨粗鬆症という病気をご存知でしょうか?

特に中年以降の女性に起こりやすく、骨が脆くなり、骨折しやすくなることから、寝たきりを招く可能性があります。

ぜひ、以下の項目をチェックしてみてください。

骨粗鬆症簡易チェック

  1. 45歳以上である
  1. 女性である
  1. 普通より痩せている
  1. 運動習慣がない
  1. 紫外線を積極的に浴びていない
  1. 生理不順がある、婦人科疾患を持っている
  1. 母親が骨粗鬆症、祖母の背中が曲がっている
  1. 糖尿病、胃癌などの基礎疾患がある
  1. 喫煙している

いくつチェックがつきましたか?

3つ以上チェックが付いた方は、骨粗鬆症の疑いがあります。骨の精密検査をおすすめ致します。骨粗鬆症を早期発見、早期治療させることにより、寝たきりを予防することができます。

骨粗鬆症の検査・治療が大切な理由

「いくつになっても、自分だけは健康だ」と思っている人でも必ず、年を重ねると足の筋力が低下し、転倒する危険性が高まります。

厚生労働省の調査では、寝たきり(要介護5)になる原因の1位は脳卒中、2位が認知症、転倒による骨折が3位です。さらに、高齢者の転倒による骨折で多いのは手首、肩、腰、股関節の4カ所で、 特に問題なのが「大腿骨近位部骨折(だいたいこつきんいぶ骨折)」です。

大腿骨近位部とは、股関節(足の付け根)にある足の骨で、骨盤(体)と足の骨をつなぐ重要な役割があります。

また、高齢の方で背中が曲がっている方を見かけますが、背中が曲がっている原因として、実は、骨粗鬆症による背骨の圧迫骨折が挙げられます。

特に女性の場合、中年以降の閉経後、骨密度が急激に低下し、骨粗鬆症になるリスクが高くなります。

月経不順や早期閉経、糖尿病、ステロイド治療などの明らかな原因がある場合もありますが、早い方だと40歳代で骨粗鬆症を迎えてしまう場合もあります。

骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症とは、その名の通り、全身の骨が脆くなる症状です。様々な原因によって全身の骨がスカスカになり、少しの衝撃で骨折を起こしてしまいます。

骨粗鬆症による骨折として代表的なものには、

  • 大腿骨近位部(大腿骨頚部と大腿骨転子部)
  • 腰椎(背骨の腰部分)
  • 胸椎(背骨の胸の部分)

の骨折があります。

これらの骨折は、他の部位の骨折よりも、その後の生活や寿命に大きな悪影響を及ぼします。

ガンの5年以内の死亡率は32%なのに対し、大腿骨の骨折は、なんと54%!となっています。”死の骨折”と言っても過言ではありません。

骨粗鬆症の原因

人体の骨は常に新陳代謝を繰り返しています。骨芽細胞によって再生し、破骨細胞によって壊れることを繰り返し、約3年で新しく生まれ変わります。

骨の新陳代謝には、”エストロゲン”という女性ホルモンが大きく関わっており、女性は50歳前後になると女性ホルモンの分泌が減り、閉経します。

閉経後は減少した女性ホルモンの影響により、骨の新陳代謝のサイクルが崩れます。元々、骨は短期間で壊れますが、骨を再生させるには数倍の時間が掛かります。この新陳代謝のリズムの狂いが原因で骨を強く作り変えることができず、骨が脆くなってしまいます。これが骨粗鬆症です。

閉経の早い方は50歳代で骨粗鬆症になる方もいます。また、体重の軽い方は、骨への適度な負荷が掛かりにくいため、骨が弱くなりやすく、骨粗鬆症のリスクが高くなります。

骨粗鬆症になりやすい方の特長

特に骨粗鬆症になりやすい方の特長は以下になります。

  • 女性
  • 高齢者
  • ご両親に大腿骨骨折や圧迫骨折している方がいる
  • 関節リウマチ
  • 糖尿病
  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)
  • 慢性腎不全
  • 過去にステロイドや放射線による治療歴のある方
  • 卵巣癌や胃癌などの手術後の方
  • 早期閉経
  • 喫煙
  • 低体重
  • 運動習慣のない方

などなど、これらの数が多いほど骨粗鬆症である可能性が高くなります。

骨粗鬆症の症状

上述のように、骨粗鬆症は寝たきりの大きな要因になりますが、骨粗鬆症自体は、骨折しない限り、特に自覚できる症状はありません。

症状がないから安心というものではなく、逆に気づきにくいため、注意が必要です。閉経後は定期的に骨粗鬆症の検査を受けないと発見されないまま進行している場合があります。

骨粗鬆症の検査「骨密度検査とは?」

骨密度測定装置

骨粗鬆症の診断で1番重要な”大腿骨と腰椎”の骨密度を横になって測定します。骨質も測れます。

骨粗鬆症の検査には、”骨密度検査”が行われます。

当院では最新の骨密度検査の機械を導入しています。骨密度検査の所要時間は5分程度で、ごく短時間で終了します。

放射線被曝量は、飛行機で関東から関西に行った際に浴びる放射線量と変わらない程度の微量なものです。また、MRIではないので、体内に金属が入っていても問題なく検査を受けることができます。

骨粗鬆症のガイドラインでは「大腿骨と腰椎の骨密度検査」を骨粗鬆症の診断・治療の判定基準にしています。当院でもガイドラインに準じ、骨密度検査で有効な部位とされる大腿骨と腰椎の骨密度を測定します。

ひと昔の検査では、足の踵で骨密度を測る検査(超音波検査)方法もありましたが、大腿骨や腰椎の骨密度を測る方法と比べ、最大20%程度の誤差があり、骨粗鬆症を見逃す可能性があります。(当院で実証済み)

他にも手首で測る骨粗鬆症検査器もありますが、骨粗鬆症ガイドラインでは、腰椎や両側の大腿骨に金属が入っていて正しく検査できない場合を除き、腰椎と大腿骨の骨密度で診断、治療効果の判定をするように定められています。

骨粗鬆症の診断方法

診断は、

  • 骨密度(骨密度検査 )
  • 脆弱性骨折の有無

によって行います。

※一般的には、「立った高さからの転倒」を基準とし、それより弱い力で生じた骨折を「脆弱性骨折」と呼びます。

骨粗鬆症のガイドラインで定められている診断基準では、以下のいずれかを認めた場合に骨粗鬆症と診断されます。

①骨密度70%未満もしくはー2.5SD

②骨折の既往歴+YAM80%未満

※「骨折の既往歴」:肩や手首の骨、肋骨、仙骨や恥骨・尾底骨などの骨盤骨、膝や足首の骨折

③背骨(胸腰椎)の圧迫骨折または大腿骨骨折の既往

引用)骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会 委員長 折茂肇(編)(2015)骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版 一般社団法人日本骨粗鬆症学会 日本骨代謝学会 公益財団法人骨粗鬆症財 p18

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