骨粗鬆症になったら何をしたらいい?骨粗鬆症の対処法について解説
骨粗鬆症になったら何をしたらいいの?
骨粗鬆症になったらどうなってしまうの?
このように思われる方も、多いのではないでしょうか。
「骨粗鬆症です」と言われてしまったら、ショックですよね。これからどうしよう、体にどんなことが起こってくるのだろうと、心配な方も多いはずですよね。
そこで今回の記事では、骨粗鬆症になったら何をしたらいいのかについて解説していきます。
骨粗鬆症になったら
骨粗鬆症になったら、骨の状態がこれ以上悪くならないように注意していく必要があります。できる対処方法としては、薬による治療、食事療法、運動療法があります。
それぞれ解説していきます。
薬による治療
骨粗鬆症と診断されると、多くの場合、薬による治療が開始になります。骨粗鬆症の薬の種類は様々なものがあり、飲み薬や注射、点滴、ゼリーなど、様々なタイプがあります。
どれも骨を強くすることを目的としていますが、薬の種類により、効果が若干異なってきます。同じ名前の薬でも、飲み薬なのか注射なのかによっても、効果に差がでることがあります。薬の効果については、定期的に骨密度を測定することにより、骨が強くなっているか確認ができますので、主治医とよく相談をしながら薬を決めていきましょう。
自分で注射をすることも
骨粗鬆症の薬の中には、自分で注射をするものもあります。注射が処方される時に、医師や看護師から自分で注射をするための指導を受け、自宅で決められた頻度、回数で注射をしていきます。自分で注射をすることが難しい場合は、家族や友人にサポートしてもらうこともいいでしょう。
自分で行う注射以外にも、通院しながら行う注射もありますが、治療は長く続く傾向がありますので、通院が大変になる場合も考えられます。
サポートしてくれる家族や友人ともよく相談をして、治療方針を決めていけると良いですね。
食事療法
骨粗鬆症の方は、食事にも気をつけましょう。食事で不足しがちな栄養素は、カルシウムです。カルシウムは乳製品から摂れるイメージがあると思いますが、乳製品が苦手な方は、小松菜や水菜、小魚にもカルシウムは含まれていますので、これらの食品を積極的に摂取しても良いです。
また、摂ったカルシウムを効率よく体に吸収するためには、ビタミンDが必要です。ビタミンDは、腸からカルシウムが吸収されるのを促してくれる働きがあります。
ビタミンDは、干ししいたけやキクラゲ、魚の干物などに多く含まれています。特に干ししいたけやきくらげは、調理をする前に日光に当てておくと、さらにビタミンDを多く含むようになります。
また、大豆製品も骨粗鬆症の改善のために活躍してくれます。
大豆にはイソフラボンという物質が入っており、女性ホルモンのエストロゲンと同じような作用をしてくれます。特に閉経を迎えた女性は、エストロゲンの分泌が著しく減少していきます。エストロゲンが減少してしまうと、骨を壊す破骨細胞という細胞の活動が活発になってしまいます。
そこで、イソフラボンを摂取すると、エストロゲンと同じような働きをしてくれるので、破骨細胞の活動を抑えてくれます。
運動療法
骨を強くするためには、運動が必要です。栄養を摂取するだけではなく、骨に対して刺激を与えてあげることも重要になります。
骨が重力の刺激を受けることで、カルシウムなどの栄養素を骨にくっつける作用が働き、骨が丈夫になっていきます。
必要な運動は、負荷量が軽いものでも大丈夫です。内容としては、散歩程度の負荷量で良いとされています。時間の目安は30分程度で、さらに効果を出したければ、錘を持ちながらの歩行も有効とされています。
元々水泳や水中歩行をしている方もいらっしゃると思いますが、浮力があるため、骨への刺激は少ないと考えられています。そのため、運動を行うのであれば、水泳よりも散歩、散歩よりも錘を持った散歩というように、負荷がかかった方が、骨が丈夫になるとされています。
骨粗鬆症になったら骨折に注意
骨粗鬆症になってしまうと、骨折をしやすくなってしまいます。
特に骨折しやすいのは、背骨です。
背骨の骨折は圧迫骨折と呼ばれており、高齢者の場合だと、骨折していることに気づかないこともあります。
骨粗鬆症になっていない人では、激しい衝撃を受けたり、高所から転落したりすることで圧迫骨折に至りますが、骨粗鬆症がある方の場合だと、勢いよく椅子に座っただけでも骨折してしまう場合があります。
簡単に骨折をしてしまうため、特に椅子や床に座る時にはゆっくりと動作をする必要があります。
まとめ
今回の記事では、骨粗鬆症になったら何をしたら良いのかについて解説してきました。
基本は、薬物療法、食事療法、運動療法を行なっていき、さらに転ばないように気をつけていくことが大切です。特に、椅子や床に座る時には、勢いよく座ってしまうと骨折する可能性がありますので、注意が必要です。
骨粗鬆症の治療は、時間がかかることが予想されますが、少しずつ骨に良い習慣を取り入れていきましょう。
・公益財団法人骨粗鬆症財団:骨粗鬆症治療薬一覧
・小原映, and 石井和夫. “エストロゲン様作用を有するイソフラボン抱合代謝物が月経周期に及ぼす影響について.” 杏林医学会雑誌 50.3 (2019): 125-130.
・林泰史. “骨粗鬆症と運動.” 体力科学 43.2 (1994): 195-199.