骨粗鬆症の予防について

骨粗鬆症の予防について

骨粗鬆症を予防するには、どうしたらいいの?

骨粗鬆症の予防って本当にできるの?

このように考える人も多いのではないでしょうか?骨粗鬆症は、歳を重ねてからの状態だけではなく、若い時の状態も影響すると言われています。

女性に発生しやすい骨粗鬆症。将来的に骨折などにつながるため、できる限り予防したい症状です。

今回の記事では、骨粗鬆症の予防について解説していきます。

骨粗鬆症の予防をするためにできること

骨粗鬆症の予防をするためには、下記の5つのポイントがあります。

  1. 若いときに骨密度をできるだけあげておく
  2. 歩行や筋トレをする
  3. 骨に良い食事をする
  4. 体重を減少させないようにする
  5. 禁煙する、お酒を少なめに控える

それぞれ詳しく解説していきます。

若いときに骨密度をできるだけ上げておく

骨粗鬆症の予防は、若い時から始まっています。

骨粗鬆症の予防を考えると、歳を重ねてから、どれだけ骨が弱くならないかを考えがちですが、若いときにいかに丈夫にしておけるかという考え方も重要になってきます。

骨が作られるピークは、1~4歳、12歳~17歳の時期で、特に思春期にピークを迎えると言われています。

骨を強くするためには、適切な栄養と運動が必要なため、思春期に十分に栄養を摂取していなかったり、運動を行なっていなかったりすると、骨が十分に強くならないことが考えられます。

骨の強さは、体重と関連していると言われているため、思春期に過剰なダイエットをしてしまうと、必要な栄養を十分に摂取できずに、骨に影響を与える可能性が考えられます。

運動に関しては、中学生・高校生で運動部に所属していないと、骨に対して十分な刺激が与えられていない可能性が考えられます。特に、どれくらいの時間、運動をしていたのかが重要とされているため、しっかりと長期間運動を続けられると、骨に対して十分な刺激が入力されると考えられます。

若い頃に作られた骨の強度は、20歳くらいまで上がり続け、その強度が40代前半まで続きます。その後、閉経とともに、徐々に骨の強度が低下していきますので、いかに若い時期に骨の強度をあげておく必要があるかが分かります。

歩行や筋トレをする

骨を強くするためには、運動が推奨されています。

特に歩行は、足の骨に対して刺激が入りやすく、骨を強くするための運動として有用とされています。骨に重力の刺激が入ると、微弱な電気が流れてカルシウムを引き寄せてくれる効果があるからです。

さらに、運動をすることで全身の血流が良くなり、骨に対してカルシウムやビタミンDなど骨を強くする栄養素が届きやすくなるため、骨が強くなる可能性があります。

また、上半身の骨を強くするためには、筋トレが推奨されています。

筋トレをすることにより、筋肉が強く収縮します。筋肉は腱を介して骨にくっついているため、筋肉が収縮するだけでも、骨に対して刺激を入力することができます。この筋トレの刺激でも骨が丈夫になる可能性があるとされています。

また、日光にあたることも重要とされており、15分程度の日光浴で、十分な量のビタミンDを生成することができます。

骨に良い食事をする

バランスの良い食事を心がけているつもりでも、カルシウムは日本人の食事で足りていない傾向があります。

1日のカルシウム摂取基準量は700~800mgほどです。普段の食事に加えて、牛乳1杯や、チーズ2かけ程度、追加でカルシウムを摂取するようにするとカルシウム摂取基準量に近づきます。

乳製品の他にも小松菜やチンゲンサイ、大豆製品にもカルシウムは含まれていますので、上手に活用していきましょう。

体重を減少させないようにする

過剰なダイエットは控えるべきとされています。

骨粗鬆症は、体重との関連性が指摘されています。そのため、過剰にダイエットをしてしまうと、骨が脆くなる傾向になり、筋肉や脂肪も少なくなってしまうため、転倒したときに骨に対する衝撃が強くなる傾向になります。

高齢になり、食べることが大変になってきてしまい、体重が減少してくると、骨粗鬆症のリスクはさらに高まると言えます。

禁煙する、お酒を少なめに控える

喫煙は、骨に対しても悪い影響を与えます。喫煙により引き起こされやすい慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんは、骨折のリスクが高いと言われています。治療のために、ステロイドと呼ばれる薬を使うこともあり、ステロイドを長期間使用すると、副作用として骨が弱くなってしまいます。よって、喫煙は骨折のリスクを上昇させてしまうため、禁煙することをお勧めします。

また、お酒を多く飲んでいる人も骨折のリスクが高いことがわかっています。

アルコールの量に換算して、24g以上(25%の焼酎で96ml以上)摂取していると骨折のリスクが上昇する研究結果が出ています。

アルコール依存症にならないまでも、日常的にお酒を飲む習慣がある人は、注意が必要です。

まとめ

今回は、骨粗鬆症の予防について解説してきました。

骨粗鬆症は、若い頃からの食事や運動の習慣、喫煙やお酒など、さまざまな影響を受けるものだと理解していただけたと思います。

自覚症状がない骨粗鬆症ですが、骨折をして初めて自分の現状を知る方もいるかもしれません。定期的に骨密度の測定を行い、自身の骨の状態をしっかりと観察し、今回ご紹介した予防策を実施して骨密度を良い状態に保っていきましょう。