ロキソニンが効かない痛みがあるのはなぜ?原因について解説

ロキソニンとは何の薬?

ロキソニン飲んでも効かないけどどうして?

ドラッグストアや 100 円ショップ、ネット通販でも購入できるロキソニン。市販薬として気軽に買えるため、頭 痛や生理痛でロキソニンを使った経験がある方も多いのではないでしょうか?ロキソニンは全ての痛みに効果 があるわけではないため、安易に使ってしまうと副作用も出てしまいます。 今回の記事ではロキソニンが効かない痛みについて解説していきます。

ロキソニンとは

ロキソニンとは正式名を「ロキソプロフェンナトリウム水和物」といい、痛みや熱などの炎症を和らげる効果が ある解熱鎮痛消炎剤で、非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs エヌセイズ)という種類のお薬です。「プロスタグラ ンジン」という痛みに関連する物質が体内で生成されることを抑え、痛みを和らげます。 ロキソニンの効果や効能は、関節リウマチや変形性関節症、腰痛、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛、風邪な どの解熱と鎮痛、および手術後の鎮痛とされています。

ロキソニンが効くメカニズム

「ロキソプロフェンナトリウム水和物」がプロスタグランジンを生成するのに必要な「シクロオキシゲナーゼ」 という体内酵素を阻害することで、プロスタグランジン生成をおさえます。 ロキソニンは「抗炎症作用」「解熱」「鎮痛」の中でも特に鎮痛作用が強力といわれています。 また、ロキソニンは「プロドラッグ製剤」と呼ばれる胃腸を通る時に効果を発揮せず、体内吸収後に解熱鎮痛効 果を発揮する成分に変換される種類のお薬であるため、他の非ステロイド性抗炎症薬に比べて胃粘膜への負担が 少ないです。

ロキソニンが効かない理由

ロキソニンが効かない理由は主に以下の2つです。

  • 服用してからの経過時間が短い
  • 痛みを引き起こす原因(病気など)が悪化している
  • 服用量の問題(ロキソニンでは鎮静が難しいほどの激痛など)
  • 痛みの種類

各項目について解説していきます。

服用してからの経過時間が短い

ロキソニンが効きはじめるまでの時間が経過していないことも考えられます。ロキソニンだけでなく、お薬には それぞれ効き始める(効果発現時間)までに時間がかかります。服用量や体の大きさなどの個人差で変わります が、ロキソニンの効果が現れるのは 30 分前後といわれます。ロキソニンは即効性があるといわれる薬ですが、 時間がかかることもあるため、効き始めるまで様子を見ましょう。ちなみにロキソニンの血中濃度は服用 50分が最大値、服用から約 90 分で半分の濃度、体内から消えるのに約6時間かかるため、副作用など考えると連続 服用には6時間あけることが安全といえます。

痛みを引き起こす原因(病気など)が悪化している

ロキソニンの効果は痛みを抑えて症状を和らげるという対症療法であり、痛みの原因そのものを治しているわけ ではありません。特にロキソニン服用初期は効いていたのに、だんだん効かなくなってきた場合は原因となっているもの(例:ひどい生理痛では子宮内膜症など)が悪化していることも考えられるため注意しましょう。

服用量の問題(ロキソニンでは鎮静が難しいほどの激痛)

尿道結石や腸閉塞などの強烈で激しい痛みの場合はロキソニンの用量では鎮静しきれないため、ほぼ効かないと 考えられます。決められた用量以上を服用することは副作用のリスクを格段に高めるため危険です。

痛みの種類

ロキソニンは非ステロイド性抗炎症薬という種類のお薬のため、炎症が原因の痛みに対して効果を発揮します。 そのため「神経障害性疼痛」と呼ばれる神経の損傷などで引き起こされる痛みなど、炎症が原因ではない痛みに 対してはロキソニンの効果は薄いです。 ロキソニンが効かない、または効きづらい主な痛みには以下が挙げられます。

  • 胃痛
  • 腸が動いての腹痛(腸閉塞など)
  • 副鼻腔炎
  • 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳疾患由来の頭痛
  • 片頭痛
  • 神経痛
  • がんの痛み
  • 線維筋痛症

ロキソニンは胃酸から胃を守る防御物質の産生を抑えてしまうため、胃痛には逆効果です。

ロキソニンの副作用と注意点について

ロキソニン服用時には以下の副作用が出る可能性があります。

  • 胃部不快感
  • 腹痛
  • 悪心、嘔吐
  • 食欲不振、下痢
  • むくみ
  • 発疹、じんましん、かゆみ
  • 眠気
  • 肝機能低下
  • 腎臓機能低下
  • 貧血

腎機能障害がある人はロキソニンを使うことで腎機能が悪化する可能性があり、胃粘膜障害や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などを患っている人は病態を悪化させるため、服用には注意が必要です。 市販薬とはいえ薬ですから、服用後に副作用の症状があった場合は医療機関の受診をおすすめします。

まとめ

頭痛や生理痛などに対して使用されることが多いロキソニン。解熱鎮痛消炎剤の市販薬として活躍してくれる場 面も多いと思われます。市販薬としてのロキソニンは短期服用が目的ですから、病院に行く時間がない方や緊急 症状に対しての臨時的な服用が望ましく、ロキソニンで症状が改善されない場合や症状がひどい場合は病院を受診するようにしましょう。医師は病態に合わせた適切な薬を選択してくれますよ。

参考サイト
minacolor
カラダのブログ
都立大整形外科クリニック