骨粗鬆症の注射について解説

骨粗鬆症の注射について解説

骨粗鬆症の薬で注射があるけど、飲み薬とどう違うの?

骨粗鬆症の注射って種類があるけど、何が違うの?

骨粗鬆症の薬はさまざまなものがあり、症状や進行度などによって、使われるお薬が異なります。例えば、圧迫骨折をすでにしてしまっている人には、骨形成を早く促さなければいけないので、骨を強くする薬が処方される人もいますし、骨密度が低下してきている人に対しては、破骨細胞の活動を抑える薬剤が選択され、さまざまな治療戦略が立てられます。

今回は、骨粗鬆症の注射に関して解説していきます。

飲み薬と注射の違い

飲み薬と注射はどのように違うのでしょうか?

飲み薬は、飲んだ後に分解されて腸で吸収されていきます。吸収されるまでには時間がかかるので、薬の効果が発揮されるまでに時間がかかります。また、薬の成分が全て吸収されるわけではないのがデメリットと言えます。

一方で注射は、皮下や筋肉、静脈に直接薬剤を入れるため、吸収されるまでの時間をショートカットすることができます。また、すべての薬の成分が体内に入るため、薬の一部が吸収されなかったということもありません。

すべての薬の成分を、しっかりと体内に入れることができることがメリットです。しかし、注射の種類によっては、医師や看護師に注射をしてもらわなければならないものもあるため、自分ではなかなか利用しづらいというデメリットもあります。

骨粗鬆症の注射は、一部自分で注射をすることができるものもあります。

注射の種類

骨粗鬆症で用いられる注射には、下記の4種類があります。

  • 静脈注射
  • 皮下注射
  • 筋肉注射
  • 自己注射

静脈注射

血管の中に、直接薬剤を注入する方法です。飲み薬と比べて薬剤が直接血液に入るため、適切な量を全身に早く届けるためには有効な方法です。また、皮下注射や筋肉注射と比べると、周囲の組織に痛みが出たりする可能性が低いため、刺激が強い薬にも使われます。

しかし、血管が出にくい人は静脈内への注射が困難なこともあるため、注射がしにくい場合があることがデメリットです。

皮下注射

皮膚と筋肉の間に注射をする方法です。

一般的には、薬剤の吸収がゆっくりで効果が長く続くことが特徴です。

薬剤が皮下に一定時間とどまるため、痛みが出る可能性があることがデメリットです。

筋肉注射

筋肉注射は、筋肉に対して薬剤を注入する方法です。皮下注射と比べて薬剤の吸収が早く、痛みが少ないことが特徴です。皮下注射では痛みが強い注射も、筋肉注射では痛みが少なく注射が可能となっています。ワクチンも筋肉に注射します。

自己注射

自己注射は、自分で行うタイプの注射です。

骨粗鬆症の注射には、自分で行うタイプの注射もあります。

注射針の取り付け、注射、注射針を外すところまで全て自分で行います。

注射をする時の部位や注射方法は、薬剤によっても若干異なります。

注射を処方してもらうときに、医師や看護師に使い方をよく指導してもらい、適切に使用することが大切です。

また、自己注射は同じ注射器を何度か使用するため、薬剤が残っている状態の注射器の保存方法にも注意が必要です。

主に冷暗所に保存することが多いため、保存方法にも注意していきましょう。

骨粗鬆症の自己注射について

骨粗鬆症の自己注射は「プラリア」と「フォルテオ」の2種類あります。

自己注射は、投与の頻度も自己管理となってしまうため、うち忘れないようにすることが大切です。

フォルテオ

フォルテオは、毎回針のつけ外しがあるため、手に麻痺のある人や指先の感覚が鈍い人、リウマチがある人などは、家族のサポートが必要な場合もあります。1本の注射器は、28日間使用することができます。使い終わった注射器や注射針は、医療廃棄物となりますので、処方してもらった病院に持っていき、適切に処分してもらってください。

フォルテオの最長投与期間は、24ヶ月となっています。24ヶ月の注射が終了した後は、フォルテオを再度処方されることはありません。

プラリア

プラリアは、針が本体に内蔵されている注射器を使用します。フォルテオと違い、毎回の針のつけ外しがありません。

毎回注射をする部位を消毒して、皮膚をつまんで押し当てるだけで良い注射なので、比較的簡単に注射をすることができます。

手の麻痺や感覚障害がある人や、力が入りづらい方は家族のサポートが必要です。

まとめ

今回は、骨粗鬆症の注射について解説してきました。

骨粗鬆症の注射にはさまざまな種類があり、医療機関で打ってもらうものや自分で注射するものもあります。

自分で注射するものは、注射の仕方をよく指導してもらい、適切に使用することが大切です。

歳を重ねると手が不自由になってしまう方もいるため、医師とよく相談して、費用や通院頻度、自己注射が可能かどうか、家族のサポートがあるのかどうかなどで使える薬剤を適切に選定してもらうことが大切です。

骨粗鬆症の治療を適切に行っていき、骨折を防いでいきましょう。