骨粗鬆症の注射の値段や医療費が高い時に使える制度について解説

骨粗鬆症の注射の値段や医療費が高い時に使える制度について解説

骨粗鬆症の注射って高いでしょ?

高額な医療費を払った時に、使える制度は何かある?

骨粗鬆症の治療を進めていく上で、提案されることが多い骨粗鬆症の注射。経験者から話を聞くと、「薬が高くて大変」なんて声を聞く人もいるのではないでしょうか?

今回の記事では、骨粗鬆症の薬の値段や医療費が高い時に使える制度について解説していきます。

骨粗鬆症の注射の種類・値段

骨粗鬆症治療で使われる注射は下記の通りです。

【ビスホスホネート薬】

リクラスト・ボンビバ・ボナロン

【抗RANKL抗体薬】

プラリア

【副甲状腺ホルモン薬】

テリボン・フォルテオ

【抗スクレロスチン抗体薬】

イベニティー

【カルシトニン薬】

エルシトニン

それぞれ解説していきます。

※今回記載する薬価は、10割負担の値段になります。

医療費の負担割合により1割~3割に減額されます。

ビスホスホネート薬(リクラスト・ボンビバ・ボナロン)

ビスホスホネート薬は、骨の吸収を抑える薬です。

リクラストは、年に1回、ボナロンは4週に1回、ボンビバは月に1回投与します。

内服するタイプの薬では、消化管への影響を考慮し、飲んだ後に30分ほどは横になれなかったり、服薬後の飲食物に注意が必要になりますが、注射ではそのような制限がないことが利点です。

それぞれの薬価は下記の通りです。

リクラスト 薬価:36045円/瓶

ボンビバ  薬価:4227円/筒

ボナロン  薬価:3725円/袋

抗RANKL抗体薬(プラリア)

抗RANKL抗体は、破骨細胞を活性化させるRANKLというタンパク質に対して作用し、破骨細胞の活動を抑える薬です。

プラリアは6ヶ月に1回の投与です。

薬価は下記の通りです。

プラリア  薬価:28136円/筒

副甲状腺ホルモン薬(テリボン・フォルテオ)

副甲状腺ホルモン薬は、骨芽細胞に対して作用し、骨を丈夫にしてくれる薬です。

骨芽細胞自体の数を増やしたり、骨芽細胞を丈夫にしたりして、骨形成のバランスを整える働きがあります。

自分で注射をすることが多い注射なので、使い方を間違えないように医師や看護師に使用方法をよく聞いて、使うようにしてください。

また、使用期間に制限があり、テリボンは72週までしか投与できません。

投与の頻度は、医療機関で注射をする場合は、週に1回、自己注射をする場合は週に2回投与します。

自己注射をする場合は、1回につき1キット使用します。医療機関で注射をする薬剤と自己注射で使用する薬剤では、薬価に差があります。

フォルテオは、一生涯で24ヶ月のみ使用できる注射です。自己注射のみの処方で、1キットで28日分の薬剤が入っています。

テリボン・フォルテオともに使用できる期間に制限がありますが、理由は骨に腫瘍ができる可能性が考えられるためです。適正な使用期間内であれば腫瘍の心配はありませんので、ご安心ください。

テリボン・フォルテオの薬価は下記の通りです。

テリボン       薬価:約11000円

テリボン(自己注射) 薬価:5995円/キット

フォルテオ(自己注射)薬価:32253円/キット

抗スクレロスチン抗体薬(イベニティー)

抗スクロレスチン抗体薬は、スクロレスチンと言われるタンパク質に対して作用する薬です。

スクロレスチンは、破骨細胞の活動を活発にさせるだけでなく、骨芽細胞の活動を抑えてしまい、骨形成のバランスを崩してしまいます。

イベニティーは、月に1回、12ヶ月投与を行います。投与は医療機関にて行います。

投与期間は、12ヶ月までとなっています。

イベニティーの薬価は下記の通りです。

イベニティー 薬価:25061円/筒

カルシトニン薬(エルシトニン)

カルシトニン薬は、破骨細胞の活動を抑えてくれる働きがありますが、それ以上に鎮痛効果が高いことが特徴の薬です。

エルシトニンは、週に1~2回筋肉内に投与します。

自己注射ではなく、医療機関で投与してもらう必要があります。

エルシトニンは薬の量や、形状により薬価が異なります。

エルシトニンの薬価は下記の通りです。

エルシトニン10単位     薬価:132円/管

エルシトニン20単位     薬価:189円/管

エルシトニン20単位(注射器)薬価:778円/管

医療費が高い時に使える制度

骨粗鬆症の薬は、どれも高い傾向があることがお分かりいただけたと思います。

高額な医療費を請求される治療が続くのは、誰でもイヤですよね?

そんな時に、使える制度を紹介します。

使える制度は、高額療養費制度と医療費控除制度です。

それぞれ解説していきます。

(h3)高額療養費制度

高額療養費制度とは、医療機関や薬局で支払った1ヶ月の自己負担額が上限額を超えた場合に、超えた分の金額が支給される制度です。

上限額は、年齢や所得によって異なります。

一人の自己負担額では、上限額に達しない場合でも、1ヶ月単位で世帯全員の自己負担額を合算して計算することができます。

ご自身の上限額がいくらになるのか、詳細は厚生労働省の資料を参考にしてください。

厚生労働省の資料はコチラ

医療費控除

医療費控除は、世帯全員が1年間に払った医療費が基準額を上回る時に、確定申告を行うことにより、基準額を上回る金額が課税所得から控除され、税金が戻ってくる制度です。

確定申告の行い方など、詳しい情報は国税庁のホームページをご覧ください。

国税庁のホームページはこちら

まとめ

今回の記事では、骨粗鬆症の注射の値段や、医療費が高額になった時に使える制度について解説してきました。

薬の値段が高い傾向にありますが、どれも効果的なお薬です。

飲み薬では効果が今ひとつでも、注射だと効果が出るというケースも考えられます。

医療費が高くはなってしまいますが、国の制度を上手に活用しながら骨粗鬆症治療に臨んでいきましょう。