骨粗鬆症で食べてはいけないものはある?食べるべきものも合わせて解説
骨粗鬆症になりたくないので、いっぱい食べます!
自分で食事を用意するのも大変なので、インスタント食品を利用しています。
あなたが普段とっている食事。本当に大丈夫ですか?
骨粗鬆症治療のためには、さまざまな栄養素が必要になります。一方で、あまりとらない方がいい栄養素もあることをご存知でしょうか?
今回の記事では、骨粗鬆症で食べてはいけないものと、食べるべきものについて解説します。
食べてはいけないもの
絶対に食べてはいけないものはありませんが、過剰に摂取してはいけないものはあります。
骨粗鬆症で過剰摂取に気をつけなければいけないものは、下記の通りです。
それぞれ解説していきます。
加工肉、練り物、インスタント食品、スナック菓子など
加工肉などには、リン酸塩と呼ばれる添加物が入っています。リン酸塩は、カビの防止、変色防止、食品の風味の改善などに役立っています。
しかし、リン酸塩はカルシウム摂取をする上では、悪影響を及ぼします。
カルシウムを摂取すると、胃で消化され腸から吸収されます。しかし、リン酸塩を摂取していると、カルシウムとリン酸塩がくっついてしまい、リン酸カルシウムという物質になってしまいます。その結果、カルシウムの吸収が阻害され、骨に吸着することなく排出されてしまうのです。
アルコール
アルコールを摂取すると、利尿作用があるため尿が出やすくなります。また、カルシウムの吸収を阻害する作用もあるのです。
そのため、アルコールを多量に摂取すると、腸からのカルシウムの吸収が阻害されるだけでなく、尿中に多くのカルシウムを排出してしまうため、骨が弱くなる可能性が高くなります。
アルコールの量で24g以上の摂取は、骨折のリスクが高くなることがわかっており、アルコールの量が増えれば増えるほど、骨折のリスクは高くなることがわかっています。
適正なアルコールの量は、ビールで中瓶1本程度となっていますが、お酒が好きな人からすると物足りない量ですよね?
また、アルコールだけでなく、おつまみにも加工食品や塩辛いものが多くあると、さらに尿量が増え、血中のカルシウム濃度が低下する可能性が高くなります。
骨粗鬆症の方は、できるだけアルコールは控えた方が、カルシウムの吸収が阻害されない結果となります。
カフェイン
コーヒーなどに多く含まれているカフェインですが、利尿作用があるため摂取には注意が必要です。
“過剰に”カフェインを多く摂り過ぎてしまうと、尿量が多くなり、カルシウムも一緒に排出されてしまうと考えられています。
しかし、1日に2~3杯くらいの摂取であれば問題ないとか、カルシウムを補いながらの摂取であれば問題ない、紅茶のカフェインは問題ないなど、さまざまな情報があります。
過剰なカフェインの摂取でなければ、そこまで気にしなくても良い可能性があります。
また、カフェインのカルシウム吸収阻害作用が気になる方であれば、カフェオレやカプチーノなど、牛乳も合わせて摂取すると良いでしょう。
食塩
食塩の過剰摂取も、骨粗鬆症の方は注意が必要と言われています。
日本人の食塩の摂取目標値は、男性で1日7.5g、女性で1日6.5g未満とされています。
この基準はどうでしょうか?みなさん、守れていますか?
参考までに、カップラーメンをスープまで全て飲んでしまうと、それだけで4g~6g程度の食塩を摂取したことになります。
インスタント食品で食事を終わらせてしまったり、外食をしてしまうと、すぐに超えてしまう基準であることがお分かりいただけると思います。
食塩を摂取しすぎると、血液中の塩分濃度が高くなるため、血液中に水分を多く溜め込もうとします。その結果、排泄される尿量が増え、カルシウムも一緒に流れ出てしまうのです。
塩分の過剰摂取は、高血圧や腎臓の障害だけでなく、骨粗鬆症も引き起こしてしまいます。
食べるべきもの
積極的に摂取していきたい栄養素はさまざまなものがありますが、今回はカルシウムとタンパク質について解説していきます。
カルシウム
カルシウムは乳製品に含まれていることは有名ですが、野菜にも含まれています。
小松菜やモロヘイヤなどに含まれているため、乳製品が苦手という人でも摂取が可能です。また、どうしても食事で摂取が困難という人には、サプリメントの利用も検討しても良いですね。すでに骨粗鬆症治療が始まっている人は、医師からカルシウム薬が処方されることがあります。乳製品が苦手、野菜はそれほど食べられないという人は、医師に相談してみましょう。
タンパク質
タンパク質は、筋肉を太くするイメージが強いと思いますが、骨にとっても大事な栄養素です。骨には、鉄筋コンクリートでいう鉄筋に当たる部分があり、それがタンパク質から作られるコラーゲンでできています。
骨の中にコラーゲン組織が豊富にあることで、骨は丈夫になります。
タンパク質は、肉や魚からだけでなく、大豆からも多く摂取することができます。
肉や魚が苦手でも、豆腐や味噌などを使用して料理をすることにより、タンパク質を補うことができます。
まとめ
今回の記事では、骨粗鬆症で食べてはいけないものについて解説してきました。
食事を作らずにインスタント食品ばかりになってしまったり、加工食品を多くとってしまったりすることにより、骨が弱くなってしまうリスクが高くなります。
骨を強くするためには、十分な栄養や、運動が必要です。
バランスの良い食事と適度な運動を行なっていき、骨を丈夫にしていきましょう。
・厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(20202年版)」策定検討会報告書
・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版