骨粗鬆症に良い食べ物は何?摂取したい栄養素も含めて解説

骨粗鬆症に良い食べ物は何?摂取したい栄養素も含めて解説

骨粗鬆症と言われてしまったけど、良い食べ物って何かあるかな?

骨粗鬆症を予防するために必要な食べ物を知りたい。

骨粗鬆症の治療は、薬でもできますが、食べ物でよくなる方がいいですよね?

しかし、骨粗鬆症に良い食べ物を完全に理解している人は少ないことでしょう。

そこで今回の記事では、骨粗鬆症に良い食べ物について解説していきます。

骨粗鬆症に良い食べ物

最初に、骨粗鬆症に良い食べ物一覧です。

【カルシウム】乳製品など
【タンパク質】魚、肉類など
【ビタミンD】干ししいたけ、しゃけ、魚の干物など
【ビタミンK】納豆、ブロッコリー、モロヘイヤ、小松菜など
【イソフラボン】大豆、大豆製品、ひよこ豆などの豆類など
【マグネシウム】海藻類、アーモンドなど

それぞれ栄養素別に解説していきます。

カルシウム(乳製品など)

カルシウムが多く含まれている食品は、乳製品や小松菜、水菜、切り干し大根、小魚、豆類などです。

カルシウムは、体重の1~2%を占めており、その99%は骨や歯に存在し、残りの1%は、血液などに含まれています。

血液中のカルシウム濃度は一定に保たれており、カルシウムがあるおかげで筋肉を動かすことができています。カルシウム濃度が低下すると、骨からカルシウムが溶け出し、血液中のカルシウム濃度を一定に保とうとします。つまり、血液中にカルシウムが少ない状態であれば、どんどん骨は弱くなってしまうのです。

カルシウムは、胃で消化され、腸で吸収されます。しかし、この過程で加工食品に含まれるリンが多い状態では、カルシウムの吸収が阻害されてしまいます。

また、利尿作用が強いものを摂取しても、尿と一緒にカルシウムが排出されてしまうため、注意が必要です。

タンパク質(魚、肉類など)

タンパク質を多く含む食品は、肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品などです。

タンパク質も骨粗鬆症治療・予防のためには重要になります。骨は、カルシウムとコラーゲンでできており、コラーゲンの材料になるのがタンパク質だからです。

骨にあるコラーゲンは、鉄筋コンクリートの鉄筋の役割を果たします。

そのため、コラーゲンが不足してしまうと、骨は脆くなってしまうのです。

また、骨だけでなく、筋肉の材料にもなるため、転びにくい体作りのためにもタンパク質は大切になります。

ビタミンD(干ししいたけ、しゃけ、魚の干物など)

ビタミンD が多く含まれている食品は、イワシの丸干し、サンマ、カレイ、シラス干し、干しシイタケ、きくらげなどです。

ビタミンDは紫外線を浴びることにより生成できるビタミンです。食品でもビタミンは摂取することができます。

ビタミンDの主な働きは、腸や肝臓でカルシウムとリンの吸収を促進することです。ビタミンDが不足すると、腸からのカルシウムの吸収が少なくなってしまうので、低カルシウム血症になりやすくなります。

低カルシウム血症になると、骨からカルシウムが溶け出すため、骨が弱くなっていきます。

ビタミンK(納豆、ブロッコリー、モロヘイヤ、小松菜など)

ビタミンKが多く含まれている食品は、納豆、ブロッコリー、モロヘイヤ、小松菜、ほうれん草、わかめ、海苔などです。

ビタミンKは、血液を固める働きを活性化させる働きがあります。

また、血液を固める作用だけでなく、骨に存在するタンパク質を活性化して、骨を丈夫にする働きがあります。ビタミンKが少なくなると血液が固まりにくく、出血が治りにくい状態になります。しかし、通常の食生活をしている限りでは、ビタミンKが不足することはないとされています。

心臓や脳の血管が詰まったことがある人や、血液がドロドロの状態と判断された人は、血液をサラサラにする薬を処方されることがあります。このような場合は、ビタミンKの摂取は血液を固める作用があるため、注意が必要になります。

イソフラボン(大豆、大豆製品、ひよこ豆などの豆類など)

イソフラボンを多く含む食品は、納豆、大豆飲料、豆腐、きな粉、味噌などです。

イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと同じような作用をするとされています。

エストロゲンは、破骨細胞の活動を抑える働きがあります。閉経とともにエストロゲンの量が減少していくと言われており、閉経後の女性は骨が弱くなりやすいメカニズムになっています。骨が弱くなること以外にも、エストロゲンが減少することにより、更年期障害が出るだけでなく、心・血管疾患のリスクが上昇するなど、さまざまな症状が現れる可能性があります。

しかし、イソフラボンを摂取することにより、エストロゲンと同じような効果を得ることができ、さまざまな症状を軽減する可能性があるのです。

マグネシウム(海藻類、アーモンドなど)

マグネシウムを多く含む食品は、あおさ、あおのり、わかめ、米ぬか、バジル、純ココアなどです。

人間の体の中には、約25gのマグネシウムがあるとされており、その50~60%が骨に存在するとされています。

血液中のマグネシウム濃度は一定に保たれており、マグネシウムが少なくなると、骨からマグネシウムが溶け出します。マグネシウムが不足する状態が続くと、骨が弱くなる可能性が指摘されています。

しかし、通常の食生活をしていれば、マグネシウム不足になることはほぼないとされています。

まとめ

今回の記事では、骨粗鬆症に良い食べ物を紹介してきました。

さまざまな食べ物を紹介してきましたが、栄養摂取の基本はバランスの良い食事です。

過剰に摂取することにより、骨粗鬆症が劇的に回復するわけではないので、注意してください。

特にビタミンKは、摂取を禁止されている人がいる可能性が高いので、自身の服薬状況などをよく確認して、栄養素を摂取するようにしてください。