骨粗鬆症治療について解説

骨粗鬆症治療について解説

骨粗鬆症こつそしょうしょうの治療ってどんなことをするの?

骨粗鬆症治療って大変なのかな?

50代から気になってくる骨粗鬆症。骨密度の低下が見つかると、治療はすぐに開始になります。

治療をしていくと言っても、骨粗鬆症治療の全体像がわからない人も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、骨粗鬆症治療の全体像について解説をしていきます。

骨粗鬆症治療について

骨粗鬆症治療は、骨が弱くなり、少しの衝撃での骨折を防ぐことを目的として行います。骨折をしてしまうと、長期間の寝たきりや、体力が落ちてしまうリスクがあり、元の通りに動けなくなってしまうのです。

骨粗鬆症治療は、薬物療法や食事療法、運動療法に分けられますが、それぞれ骨を強くしたり、骨折をしないようにしたりすることが共通の目的となっています。

ステロイド薬の長期間の使用などにより、二次的に骨粗鬆症になってしまっている方もいますが、そのような方は、原因となる疾患のコントロールや治療を最優先しつつ、骨密度を上げられないかを同時に考えていくのです。

ここからは、骨粗鬆症治療の柱である、薬物療法、食事療法、運動療法について詳しく解説していきます。

薬物療法

骨粗鬆症治療として、薬物療法が多く用いられます。

骨粗鬆症の薬は複数の種類があり、患者さんの様々な状態に合わせて医師が処方します。飲み薬だけでなく、注射も用いることがあります。

骨粗鬆症の薬は主に下記の4種類です。

  • 骨を壊す細胞の働きを抑える薬
  • 新しく骨を作る働きを促す薬
  • 骨を壊す細胞の働きを抑え、新しく骨を作る働きを同時に促す薬
  • 骨に必要な栄養素を多く取り入れる薬

骨粗鬆症治療のための薬は多くの種類がありますが、それぞれの薬のタイプによって使用する回数や使用方法などが異なります。

医師は、どのような治療であれば患者さんが継続可能なのかを判断し、適切に薬を処方してくれます。人によっては、手が不自由だったり、頻回な通院が難しいという方もいることでしょう。

骨の治療に関することだけでなく、服薬に問題がないのか、注射の操作は覚えられそうなのか、家族のサポートがあるのかなど、自分の環境も含めて相談してみると良いですね。

食事療法

食事療法というと、カルシウムを多く摂る食事のイメージがあると思いますが、そうではありません。

食事の基本は、バランスの取れた食事が基本で、カルシウム以外にも様々な栄養素が骨に関与するため、カルシウムだけを多く摂る食事にするわけではないのです。

ビタミンDやビタミンK、タンパク質なども骨を作るための重要な栄養素なので、肉や大豆製品、緑黄色野菜など、様々な食材を食べる必要があります。

とはいえ、年を重ねると「多く食べられない」、「歯の問題で繊維質なものが食べられない」という方もいるでしょう。そんな時は、医師とよく相談をした上で、サプリメントなどで栄養素を補うことも視野に入れることできます。

元々病気を抱えており、摂取できない栄養素がある場合(血液をサラサラにする薬を飲んでいてビタミンKを摂取できないなど)は、事前に医師に情報を伝えておく必要があります。

運動療法

運動療法は、運動をすることにより骨に刺激を与え、骨を丈夫にする作用と、筋力・体力をつけることにより転倒を予防する作用があります。

骨は、重力の刺激が加わると丈夫になると言われています。そのため、激しい運動をしなくても、歩くことだけでも骨には良い影響をもたらします。

しかし、歩くだけでは、上半身の骨は丈夫にはなりません。

上半身の骨を丈夫にするための運動療法は、筋力トレーニングです。

骨は腱を介して筋肉と繋がっているため、筋力トレーニングで骨を引っ張る刺激が加わると、骨が強くなっていくと言われています。

いきなり強い負荷での筋トレは、体を痛めてしまうリスクもあるため、まずは歩行や軽い腕立て伏せ、片足立ちなどから徐々に始めていきましょう。

転倒を予防するためには、足腰の筋力が必要になってきます。特に、お腹周りやお尻周りの筋力が弱い人は、ふらつきや転倒につながる可能性が高いです。骨粗鬆症の方は、椅子に勢いよく座ってしまうだけでも骨折するリスクがありますので、ゆっくりとコントロールをしながら立ち座りを行うことが必要になります。

スクワットや爪先立ちなど、体重を支えてコントロールするような筋力トレーニングが有効です。足腰の痛みに注意しながら、ゆっくりとトレーニングをしてみましょう。

まとめ

自覚症状の無い骨粗鬆症。骨が折れた時に骨粗鬆症に気づくのは遅すぎます。

市区町村の健診でも、骨粗鬆症は大まかにわかるものです。

定期的に骨密度を測定し、自分の骨の状態を把握しておくことは重要です。

もし、治療が開始になったとしても、全体像を理解していれば、骨粗鬆症治療への抵抗感は少なくなるでしょう。

骨粗鬆症治療は長期間に及ぶことが多く、根気が必要になります。

医師は、患者さんに合わせた最良の治療を選択してくれますので、一緒に治療を頑張っていきましょう。