変形性膝関節症に効く薬はあるの?そんな疑問にお答えします!
膝の痛みが辛い、変形性膝関節症。膝の痛みに効く薬はあるのでしょうか?今回は変形性膝関節症と薬についてご説明します。
変形性膝関節症に効く薬とは?
変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)とは、加齢などにより膝関節の軟骨が徐々にすり減り、炎症によって痛みを感じたり、膝関節の変形が生じる疾患です。変形性膝関節症に効く薬に求められる薬効(薬の効果)はなんでしょうか。
変形性膝関節症の主な症状は、
- 膝の痛み
- 膝の腫れ
- 膝の変形
です。
それらの症状によって、
- 歩行困難による外出制限
重症の場合は、
- 痛みのため寝りが浅くなる、もしくは眠れない
などの日常生活での支障が出てきてしまいます。
これらの弊害を起こさないために、変形性膝関節症の薬には、
- 膝の痛み
- 膝の腫れ
- 膝の変形
を防ぐ、あるいは抑える薬効が求められます。
では、変形性膝関節症にはどんな薬が適しているのでしょうか。
市販のサプリメントは?
まず、サプリメントはあくまで食品であり、薬とは異なります。サプリメントは健康な方が健康を増進させるために服用するものであり、薬は疾病の治療に使います。薬は医師や薬剤師、登録販売者などの厳重な管理下で使われますが、サプリメントにこういった制限はありません。
市販で変形性膝関節症に効くサプリメントと謳う商品がたくさん販売されています。しかし、「変形性膝関節症 サプリメント」の記事でも書いていますが、変形性膝関節症の治療に有効な、十分な検証データがあるといえる商品はほとんどありません。また、保険が適用ではないので、どうしても高額になってしまいます。継続して服用することを勧めるものがほとんどなのでなおさら費用が掛かってしまいます。
変形性膝関節症に効く薬
では、本当に効果があり、安全な薬はというと、ずばり、病院や診療所で提供される、変形性膝関節症に対する薬物療法です。世界中の治療法に関する研究結果を分析し、ガイドラインに沿った治療が全国どこの診療所や病院で受けられるように国が医療の標準化を推進しています。
変形性膝関節症の治療方法については「変形性膝関節症 治療」の記事に詳しく記載していますが、
- 運動療法
- 薬物療法
- 手術療法
が行われます。
変形性膝関節症と診断されると、初期治療ではまず保存療法(主に手術療法以外の治療法)を行います。なかでも薬物療法は、特に膝の痛みや炎症・腫れが強かったり慢性化している場合などに欠かせない治療法です。変形性膝関節症の薬物療法には大きく分けて、外用薬、内服薬、注射の3つがあります。変形性膝関節症の治療に用いられる薬物には、
- 外用薬
- 内服薬
- 座薬
- 注射薬
があります。以下にそれぞれの特徴についてご紹介します。
外用薬
外用薬には塗り薬として用いるクリームや軟膏(なんこう)、ゲル、貼り薬として用いる湿布があります。これらの成分には非ステロイド系抗炎症剤が含まれており、経皮的に吸収され、炎症を起こしている局所で腫れや痛みを抑える作用があります。
また、貼り薬として冷湿布と温湿布があり、どちらも痛みや炎症を抑える効果は持っていますが、冷湿布は打ち身や捻挫、急な関節の腫れなどの急性期に用いられ、温湿布は慢性的に持続する痛みに用いられます。
内服薬
膝の痛みが激しい場合は、比較的短時間で効果が出やすい内服薬を使用します。ただし、長期間使用すると副作用の心配があるため、一時的に使用し、痛みが軽くなってきたら塗り薬や湿布に切り替えるのが一般的です。内服薬には非ステロイド系の消炎鎮痛剤のジクロフェナク、ロキソプロフェン、インドメタシンなどがあります。
座薬
特に痛みが激しい人や、胃腸が弱くて内服薬が使えない人には、座薬(肛門から挿入する薬)が用いられます。薬を直接粘膜から吸収させるので、即効性が期待できます。インドメタシンやジクロフェナクなどの座薬があります。
関節内注射
膝の関節内にヒアルロン酸を注射する方法です。ヒアルロン酸はもともと膝の関節液に多く含まれており、関節の滑りを滑らかにしたり、関節の衝撃を和らげたりする役割があります。しかし、変形性膝関節症になると、このヒアルロン酸が少なくなるといわれています。
関節内注射でヒアルロン酸を補充することで膝の痛みを抑える効果があります。
薬は根本的治療にはならない点に注意
変形性膝関節症で処方される薬は、炎症を抑えて痛みを軽くするのが目的で、病気そのものを治すためのものではありません。根本的には膝関節にかかる負担を減らすために、薬物療法を併用しながら、運動療法を行いましょう。具体的には、毎日の生活習慣を見直して、体重管理と運動習慣の定着に取り組むことが大切です。また、薬は医師の指示に従って、正しく服用しましょう。