簡単に説明!変形性膝関節症の予防について解説

変形性膝関節症の予防について解説

変形性膝関節症は膝関節に辛い痛みが出る疾患です。変形性膝関節症を発症しないために、あるいは発症したとしても重症化しないように予防することは非常に重要です。今回は、変形性膝関節症を予防するために重要なことについてお伝えします。

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症とは、関節のクッションである軟骨が、加齢や肥満、筋肉量の低下などですり減って痛みが生じる病気です。軟骨がすり減った分、膝関節の骨と骨のすき間が狭くなり、進行していくと骨のへりにトゲのような突起物(骨棘)ができたり、骨や関節が変形したりします。

また、関節を包む関節包(かんせつほう)と呼ばれる繊維膜の内側に炎症が起こるため、黄色味がかった粘り気のある液体が分泌され、腫れたり、痛みが出現します。

変形性膝関節症を予防する方法

上述のように、変形性膝関節症の原因は、関節のクッションである軟骨がすり減ってしまうことです。よって、できるだけ膝の軟骨をすり減らさないようにすることで予防になります。

体重を増やさない(ダイエット)

変形性膝関節症の予防に一番効果があり、膝以外にも健康上のメリットが大きいのが、ダイエットです。体重が少しでも増えると、その分膝関節に継続的に大きな負担が掛かります。ダイエットをして、年齢相応の適正体重にキープしておくことは、変形性膝関節症の予防の観点からも非常に重要です。

肥満は生活習慣病の元になりますし、変形性膝関節症に関わらず、健康に様々な悪影響があります。いきなり大きく減量をする必要はありませんので、まずは糖分がたくさん含まれる清涼飲料水や酒類、特にビールを飲むのを控えたり、間食を辞めたり、日常生活で、できるだけ歩くようにするなどの簡単なことを長く継続することを意識しましょう。

ちなみに、適正体重の求め方は、スマホの電卓機能を使えば簡単に計算できます。適正体重 = (身長m)2 ×22ですので、身長が1.7mの方の場合、1.7×1.7×22=63.6kgとなります。20歳代を過ぎたら、健康は努力して手に入れるものです。相応のコスト(時間、労力やお金)を費やさなければまともに健康を維持できないことを肝に命じ、自身の適正体重を常に頭に入れて健康管理に努めましょう。

膝に負担がかかる動作を避ける

膝の曲げ伸ばしを頻繁にする仕事(肉体労働や清掃のお仕事など)をしている方は、特に膝関節に負担が掛かりやすいので注意が必要です。また、和式の生活様式よりも、洋式のテーブルや机、ベッドを使った生活の方が膝への負担は少ないので、生活習慣を見直すこともおすすめです。

高齢になればなるほど、和式便器を使うことや床へ布団をひいての床からの立ち上がりが大変になってきます。徐々にで構いませんので、洋式の生活様式を取り入れていくと、より快適に過ごせるでしょう。

すでに膝に痛みがある方は、膝に負担がかかる動作を避けることも大切です。階段の昇り降りや床に座る、しゃがむなどの動作、方向転換の際に膝をひねる動きなどは、膝への負担が大きい動作です。床に直接座らず椅子に座る、正座する際は正座用椅子を使用する、座る(立ち上がる)際は、近くのテーブルなどを使い、腕の力を補助的に使うようにする、などでも膝への負担を減らすことができます。

特に膝を捻る動作や、重いものを持って繰り返し膝を曲げ伸ばしするような動作は負担が大きいので避けるようにしてください。

運動をする

膝関節は周りの筋肉によって関節の安定性が保たれています。加齢や運動不足によって膝周りの筋肉が衰えたり、柔軟性が低下すると、膝関節が不安定になり、関節や軟骨への負担が増えてしまいます。

膝周りを鍛える運動を継続的に行うことで変形性膝関節症の予防になります。具体的には、「変形性膝関節症 リハビリ」の記事で詳しく述べていますが、歩く機会を増やすようにしたり、大腿四頭筋を鍛える運動を行うことが大切です。

辛い運動をしても長く続かない場合が多いです。すぐに辞めてしまう辛い運動よりも、自宅内で軽い運動を長期間続けるほうが益があります。

足底板を使う

O脚やx脚と言われたことがある方は、膝関節の一部分に荷重がかかりやすい状態です。O脚や X 脚に対して、足底板(インソール:中敷き)を使うことで膝関節への過剰な負担を軽減することができます。

足底板は市販のものでもO脚、 X 脚対策のものが販売されています。例えばO脚の方の場合、足の外側が高い足底板を使い、膝関節の角度を補正することで、膝にかかる荷重の方向を調整します。

O脚によって膝の内側に偏っていた負荷を反対側に逃がすことができ、すでに膝痛がある方も、症状の改善を期待できます。X脚の場合は、O脚とは逆に足の内側が高い足底板を用います。