四十肩・五十肩と疑われる肩の強い痛みを感じた場合は痛みが悪化する前に専門家の受診をおすすめしますがすぐに受診に行けない時は湿布などの薬で一時的に対処できます。
この記事では四十肩・五十肩の症状に効く湿布の種類や選び方について解説します。
四十肩・五十肩とは
四十肩・五十肩とは医学的には肩関節周囲炎と呼ばれる疾患を一般的に分かりやすくした呼び名です。
四十肩・五十肩は服を脱ぎ着するときや腕を上げたとき、寝返りをうったときなどに突然肩に鋭い痛みに襲われてはじまることが多いです。
また、痛みが指先までしびれるように伝わることや、夜眠れないほど強い痛みが生じる夜間痛が起こることもよくあります。
症状が起こる年齢により40代なら四十肩、50代なら五十肩と呼び分けられますが四十肩・五十肩は医学的にはどちらも同じ「肩関節周囲炎」という疾患です。
四十肩・五十肩の症状
四十肩・五十肩の症状としては、肩周囲の痛みと運動制限が主体になります。
具体的な症状として、
などがあります。これらの症状の原因は、全て肩の動きが悪くなっている事に起因します。
四十肩・五十肩の症状に効く薬の種類と選び方
四十肩・五十肩の症状に効く市販薬には貼り薬(湿布)・塗り薬・飲み薬があります。
それぞれの薬の特徴は以下の通りで使用するシーンや痛みのある場所、好みによっていずれかご自身の使いやすい薬を選ぶことができます。
湿布
患部に密着することで効果を発揮します。比較的薄く、粘着力が強くはがれにくいテープ剤と水分を含み皮膚への刺激が少ないパップ剤に分けられるます。飲み薬は胃への負担があるなどの理由で苦手な方に向いています。
塗り薬
持ち運びに便利で外出先でも使いやすいのが特徴です。また、湿布よりも細かい部分や広範囲に使えます。湿布は一人で貼りにくいし、かぶれやすいなどの理由により苦手な方に向いています。
飲み薬
症状に合わせて選べます。飲むだけで済むため湿布の匂いや見た目が気にならず人目を気にせず使えます。
湿布や塗り薬が苦手な方に向いています。
四十肩・五十肩で使用する湿布について
湿布は塗り薬と異なり服に薬がつきにくく、一度貼るだけで効果が続きます。
湿布に含まれる鎮痛・消炎成分の強さの感じ方には個人差があります。
鎮痛・消炎成分のなかには「ジクロフェナクナトリウム」がありますが、貼った部位に日が当たるとかぶれる場合もあるため注意が必要です。
また湿布はテープ剤とパップ剤に分けられます。目立たない、はがれにくいなどの理由でテープ剤、肌への負担を考慮、もしくは貼り付けた時のひんやりとした清涼感が好きなどの理由でパップ剤が選ばれることもあります。
湿布の種類
湿布には効能によって種類が存在します。
冷湿布
患部を冷やす作用があります。捻挫や打撲などの炎症に使われ、四十肩・五十肩の初期症状に使用されます。
温湿布
患部を温める作用があります。血行不良を改善し、四十肩・五十肩の拘縮期に使用されます。
経皮鎮痛消炎テープ
鎮痛剤が配合されています。四十肩・五十肩の回復期に使用されることが多いです。
四十肩・五十肩の痛みにはロキソニンテープも効果的
一般的によく知られている”痛み止めの湿布”ロキソニンテープには「ロキソプロフェンナトリウム水和物」という消炎鎮痛薬が含まれます。
四十肩・五十肩の炎症や痛みは体内でプロスタグランジンという物質が産生されることで起こりますが「ロキソプロフェンナトリウム水和物」「ジクロフェナクナトリウム」「インドメタシン」のような鎮痛・消炎成分はプロスタグランジンを産生する過程をブロックし炎症や痛みを抑えます。
ロキソニンテープの詳細
名称:ロキソプロフェンナトリウム水和物貼付剤
種類:経皮吸収型鎮痛・抗炎症剤
禁忌(次の患者には投与しないこと)
効能又は効果
変形性関節症、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛並びに症状の消炎・鎮痛。
湿布や塗り薬の保管について
高温多湿を避けて保管します。湿布薬は専用の保管袋がある場合、しっかりと密閉して保管してください。
塗り薬もキャップはしっかり閉め常温で保存します。
パッケージに記載のある使用期限は未開封状態で保管したときの期限です。開封後はなるべく早く使用しましょう。
湿布や塗り薬の副作用はある?
貼り薬や塗り薬を使用した場合、患部の肌がかぶれることがあります。
また、汗をかくと刺激を強く感じる場合もあります。飲み薬では発疹などのアレルギー症状や胃の不快感といった副作用が出ることがあります。
副作用の種類は薬によりさまざまです。服用後に体調の変化がある場合はすみやかに受診しましょう。
使用に注意が必要な人・NGな人は
妊娠中・授乳中・子どもの使用は注意が必要です。肩の痛みが強い場合は湿布の使用が適正かどうかも含めて、専門家に相談・受診することをおすすめします。
冷湿布と温湿布、どちらを使えばよいかわからない場合
冷湿布を使うのは急な痛みが出てから長くても2週間程度だと思ってください。普段の入浴中や肩にぬるま湯のシャワーを当てたときに「気持ち良いな」と感じる場合は血行不良による冷えがあるので冷湿布の使用から温湿布やクリーム剤へ切り替えましょう。
ロキソニンが効かない痛みには何が効くのか
ロキソニンが効かない場合は急性期を過ぎている可能性が高いので、少しずつ肩を動かしたり温めたりして血行を促すと良いでしょう。
市販薬では温湿布や漢方薬がおすすめです。マッサージをするのも良いでしょう。痛みが出始めたばかりなのに鎮痛剤が効かない場合は専門家への受診をおすすめします。