そもそも腰痛の原因ってなに?腰痛について詳しく解説

そもそも腰痛とは一体なんだろう?
なぜ腰痛になってしまうのだろう?

国民の80%が一生に一度は経験しているといわれる「腰痛」。

腰痛とは、疾患(病気)の名前ではなく、腰 部を主とした痛みやはりなどの不快感といった症状の総称です。病気や怪我などの自覚症状がある人の中で、腰痛は男性で最も多く、女性では肩こりに次いで2番目に多いという結果となっています。

また労働災害の観点から、腰痛は休業 日以上の業務上災害において第一位の原因であり、全体の6割を占めていると言わ れています。何が一体この結果をもたらしているのでしょうか。 今回の記事では、腰痛の原因について解説していきます。

原因追究の背景

腰痛の発症にはさまざまな要因が複雑に関係しており、臨床的に腰痛の原因となる明確な組織や部位を特 定することは難しいとされてきました。しかし近年の触診技術の飛躍的な向上CT,MRIの出現に伴い、脊 柱管内あるいは脊柱周辺の構造をより明確に把握できるようになり的確な診断が可能になってきました。

こうした医学的な診断所見と理学療法士による機能評価との関連性が確認できるようになり、個々の腰痛原因 が把握できるようになりました。

現在では、15%は画像検査による診断や診察で原因が特定できる腰痛(特異性腰痛)、残りの 85%は検査をしても痛みの原因となる異常が見つからない腰痛(非特異性腰痛)と言われています。

原因が特定できる特異性腰痛は、医療機関を受診する腰痛患者の 15%程度の割合と言われています。 内訳として、腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症(腰痛より下肢症状が主訴) それぞれ約4〜5%圧迫骨折(高齢者の骨粗鬆症の方に多い) 約4%間接性脊椎炎やがんの脊椎転移 約1%大動脈瘤、尿路結石などの内蔵疾患1%未満

腰痛診療ガイドライン

腰痛治療は、世界各国でエビデンスに基づいた腰痛治療ガイドラインが推奨されています。

腰痛診療ガイ ドラインでは、1生命を脅かすような病態や緊急を要する疾患があるか(red flags)、2神経根症状があるか、3非特異的腰痛症かの3種類の診断トリアージを推奨しています。

特に、1は放置しておくと病状が悪 化し治療が難渋する可能性が高くなります。これらのことからも、早めに専門医を受診し問診や身体所見などの診察を受けることが重要です。

腰痛の影響に与える原因について

  • ①腰部に動的あるいは静的に過度に負担を加える動作要因
  • ②腰部の振動、寒冷、床・階段での転倒など で見られる環境要因
  • ③年齢、性、体格、筋力などの違い、腰椎椎間板ヘルニア、骨粗鬆症などの既往症又は基礎疾患の有無および精神的な緊張度等の個人的要因

があり、これらが重なり合って発症します。

  • ①動作要因 「重量物を頻繁に取り扱う」「腰を深く曲げたり、捻ったりする」「長時間同じ姿勢で作業する」など。
  • ②環境要因 「身体が寒冷にさらされる」「全身振動に長時間さらされる(運転による車両振動など)」など。
  • ③個人的要因 「満足な睡眠が取れていない」「喫煙や飲酒をしている」「日常的な運動を実施していない」「小休止が取 れない」など。


これらの 3 つの要因は、何か一つの要因だけが関与しているケースは稀で、いくつかの要因が組み合わさって関与しています。また、近年では対人ストレスに代表される心理要因も注目されています。

具体的には「仕事の満足度が得にくい」「上司や同僚とうまくいかない」などです。

腰痛が慢性化する原因について

慢性的な腰痛を持たれている方は多いのではないでしょうか。

慢性痛の原因として「恐怖-回避モデルの 悪循環」が報告されています。痛みの経験に過激な強迫的な情報(生涯付き合っていかなければならない、 治らない)などが加わることで、症状に悪い感情を与えてしまいます。

これらが痛みに対して不安や恐怖感 を助長してしまい過剰な回避行動をとらせてしまいます。これらがさらに痛みの不安を仰ぎ、恐怖-回避モデ ルの悪循環となります。

これを断ち切るには、正しい情報を提示していく必要があります。したがって、腰 痛治療では初回介入時に正しい情報と対処法を指導できるかが非常に重要になります。

そのため、腰や足に 違和感、痛みを感じたら整形外科を受診し、専門医による詳しい問診や検査を行うこと、理学療法士による 正しい運動を教わることが大切です。

まとめ

腰痛の原因はご理解いただけましたでしょうか。重複しますが、もし腰や脚に違和感を感じたら直ぐに整形外科を受診する事をお勧めいたします。腰痛の原因は一人一人で違います。

巷にある腰痛体操やストレッ チは、あなたの腰痛には合わない可能性もあります。あるいは、ただの慢性腰痛だと思っていたら重篤な疾 患の可能性がある腰痛だったということも起こり得ます。

医師の診察の上で、理学療法士に姿勢や動作を確 認してもらい、何が原因として考えられるかを知ることが大切です。