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骨粗鬆症に初期症状ってあるの?骨粗鬆症初期にみられる症状について解説
骨が弱くなることによる初期症状ってあるの?
骨粗鬆症って痛いのかな?
骨が弱くなることにより、起こる症状は予想ができますか?
予想ができない、よくわからないという人がほとんどですよね。果たして、骨粗鬆症に初期症状はあるのでしょうか?
今回の記事では、骨粗鬆症の初期症状について解説していきます。
骨粗鬆症の初期症状
最初に結論です。
骨粗鬆症の初期症状は、ありません。
骨が弱くなるだけでは、症状が出ないことがほとんどです。
しかし、気づかないだけで、体には変化が出ていることがあります。
骨粗鬆症になることによって出てくる、自分ではなかなか気づかない体の変化について解説します。
いつの間にか骨折?
骨粗鬆症になると、骨が弱くなります。すると、少しの衝撃で、骨折をするようになってしまいます。
骨折をすると、すごく痛いイメージがあると思いますが、少しの骨折であれば我慢ができてしまったり、湿布や痛み止めなどで対処ができてしまったりします。
特に、背骨の骨折は気付きにくく、「なんか腰・背中が痛い」と思ってレントゲンを撮ってみたら、医師から「骨折してますね」と言われてしまうこともあるくらいです。
このように、いつの間にか折れてしまう背骨の骨折を、「圧迫骨折」と呼びます。
一般的に圧迫骨折は、激しく転倒をしたり、高いところから落ちてしまったりして骨折することが多い骨折です。しかし、骨粗鬆症の方では、軽く尻餅をついただけ、少し勢いよく座っただけ、くしゃみをしただけ、咳をしただけなど、「日常生活で骨折はしないだろう」と思われる軽い衝撃だけでも骨折する可能性があります。
軽い骨折であれば痛みも軽く、年を重ねると痛みも感じにくくなるため、余計に気が付きにくいという特徴があります。
「最近なんか背中が曲がってきたな」
「何となく腰が痛いのが治らないな」
「身長が縮んだみたい」
このように思われる方は、一度背骨のレントゲンを撮ってみても良いかもしれません。
あなたの背骨は折れている?自宅でできるチェック方法
いつの間にか骨折をしているかもしれないと不安になってしまった方のために、自宅で簡単にできるチェック方法をお伝えします。
壁に背中をつけて立つ方法
チェック方法は、壁に背を向けて立つだけです。
踵・お尻・背中・肩・後頭部までしっかりと壁につけることができればOKです。
圧迫骨折をしてしまうと、背骨の形が変わってしまいます。
骨折をする前の背骨の形は、長方形をしていますが、骨折をしてしまうと三角に近い形になっていきます。
背骨には、適切な湾曲がありますが、圧迫骨折をしてしまうと湾曲の程度が変わってしまいます。何箇所も骨折してしまうと、腰や背中が曲がったまま起こすことができないという状態になることも考えられます。
このような状態になると、上記のチェックで後頭部をつけることができなかったり、肩をつけることができなかったりする結果になってしまうのです。
また、壁に背中をつけて立つ以外にも、身長をチェックするだけでも、いつの間にか骨折の可能性を見つけることができます。
身長をチェックする
若い頃と比べて、現在の身長はどうなっていますか?
若い頃と現在の身長との差と圧迫骨折の関連性について調べた研究では、圧迫骨折がある群では、平均4.2cm身長が縮んでいる結果となりました。一方、圧迫骨折をしていない群では平均2.6cm身長が縮んでいる状態にとどまっていました。
これらの結果から、若い頃の身長と比べて、4cm程度身長が縮んでいると、圧迫骨折をしている可能性が考えられます。
背中や腰の痛みが長引く
背骨には適切な湾曲があり、圧迫骨折をすると湾曲の程度が変化してしまうことは解説してきました。
背骨の正常な湾曲があるため、人間は色々な衝撃に耐えたり、体を守ったりすることができています。
圧迫骨折により、背骨の湾曲が変わってしまうと、うまく衝撃を逃すことができなくなり、背骨周りの靭帯や筋肉に負担がかかりってしまいます。
負担がかかった状態が続いてしまうと、背中や腰回りの痛みにつながります。
しかし、骨の形状が変わってしまっているため、背骨の湾曲をしっかりと元通りに治すことは困難です。なので、背中や腰の痛みが長引く可能性が高くなります。
背中や腰の痛みが長引くようでしたら、圧迫骨折を疑ってみても良いかもしれません。
まとめ
今回の記事では、骨粗鬆症の初期症状について解説してきました。
骨粗鬆症自体に初期症状はありませんが、気づかないうちに骨折をしているかもしれないと考えると、少し怖いですよね。
チェック方法は3つあり、壁に背を向けて立つ方法や若い時との身長の比較、長引く痛みがあるかどうかの3つです。
1つでも当てはまるようであれば、まずは骨密度の測定から行ってみてはいかがでしょうか?早めに骨粗鬆症の治療を開始できれば、骨折のリスクを減らせる可能性も高くなります。
日頃から、姿勢や身長、痛みに注意していき、骨粗鬆症の早期発見をしていきましょう。
・松本學, et al. “骨粗鬆症と腰痛─ 椎体骨折の有無による比較─.” 日本腰痛学会雑誌 10.1 (2004): 111-115.