骨粗鬆症の検査方法について解説
骨粗鬆症の検査ってどんなことをするの?
骨粗鬆症の検査って、何歳くらいから受け始めた方がいいの?
「骨粗鬆症は検査でわかります」と言われても、検査の内容や、いつ頃から検査を受ければ良いかなど、わからないことが多いと思います。
今回の記事では、骨粗鬆症の検査について解説していきます。
Contents
骨粗鬆症の検査はどんなことをするの?
骨粗鬆症の検査は、主に3種類に分かれます。X線を使う検査があるため、妊娠している方や、妊娠の可能性がある方は検査を行えない場合があります。
二重エネルギーX線吸収法(DXA)
骨に対してX線を当てて、骨の強度を測定する方法です。
骨の強度を測定する部位は、足の付け根と腰骨です。
検査台に横になり、足を伸ばした姿勢とひざ立ての姿勢で、それぞれ測定します。両部位とも、30秒程度で測定は終了します。
MD法
アルミ板の上に手を置き、レントゲン撮影をする方法です。
特別な機械を使わなくても、普段使用されているレントゲン機器で手軽に測定をすることができます
放射線の被曝量も少ないため、手軽に検査をすることができます。
定量的超音波測定法(QUS)
超音波を用いて、骨密度を測定する方法です。
測定する部位は、踵の骨で測定します。踵の骨以外では、脛の骨で測定をすることも可能です。簡単に検査をすることができるため、自治体の検査でも多く用いられています。X線を使わないため、妊娠している方、妊娠の可能性がある方にも安心して検査を受けていただけます。
検査での注意点は?
検査はX線を使って行うので、金属の部品がついた衣類は着用しないほうが良いです。当日は、検査衣に着替える可能性もあります。
また、X線を使う検査のため妊娠している方や、妊娠の可能性がある方は、医師と相談してください。
なぜ足の付け根と腰骨で検査をするの?
骨粗鬆症で折れやすい部位は、背骨と足の付け根です。
そのため、その部位の骨の状態を把握して、骨折のリスクがどれくらいあるのかを把握するためです。
骨粗鬆症になると、軽い負荷でも骨折をしてしまう可能性があります。背骨の骨折は圧迫骨折と呼ばれ、足の付け根の骨折は大腿骨頸部骨折と呼ばれます。
それぞれ解説していきます。
圧迫骨折
背骨の椎体という部位が潰れるような形の骨折を、圧迫骨折と呼びます。
圧迫骨折の好発部位は、胸椎の下の方と腰椎の上の方です。
圧迫骨折は、しりもちをつくように後方に転倒した時に発生しやすく、骨粗鬆症の方は、重たいものを持っただけ、勢いよく座っただけでも骨折してしまう場合もあります。
大腿骨頸部骨折
大腿骨頸部骨折は、主に転倒で骨折するケースが多いです。
足の付け根は、もともと構造上血流が悪いため、骨折をしてしまうとなかなか治りづらい部位と言われています。
そのため、高齢の方が骨折した場合、人工の骨に入れ替える手術を行うことが多くあります。手術をした後は動くことが大変になりますので、ゆっくりとリハビリをして歩く練習を行なっていきます。
大腿骨頸部骨折は、手術が必要になり、入院期間も長くなる怪我なので、できるだけ怪我をしたくない部位ですね。
血液検査でも骨密度はわかる?
血液検査でも骨の状態がわかります。
血液検査は、骨代謝マーカーというものを見ることができます。骨代謝マーカーは骨吸収マーカーと、骨形成マーカーの2種類です。
人間の骨は、骨を壊して吸収する働きと骨を形成される働きによって、常に新しい細胞に生まれ変わっています。
骨粗鬆症の患者さんでは、骨の吸収と骨の形成のバランスが崩れ、骨の吸収が上回ります。そのため、時間の経過とともに骨密度が減少していくのです。
骨代謝マーカーを見ることにより、今後の骨粗鬆症の進行をある程予測することができます。
何歳くらいから検査を受けた方が良いの?
女性は閉経後、ホルモンバランスの影響で骨が弱くなってきますので、50歳くらいからは骨粗鬆症の検査を受けた方が良い場合があります。
骨は、1~4歳、12~17歳で最も作られるとされており、思春期に骨の形成のピークを迎えます。骨の強さは、20歳くらいで最大となり、その状態が40歳程度まで続きます。
骨の強さは、体重とも関係していると言われており、過剰なダイエットをしていたり、体重が減少していたりすると、骨折するリスクが高くなります。
若い頃にダイエットを頑張っていた方は、若い時の骨の形成が不十分だった可能性がありますので、早めに検査を受けて、ご自身の骨密度がどのようになっているのかを知っておくことも大切です。
どのくらいの数値になったらリスクが上がるの?
若い人の骨密度の平均値を100%とした時に、70%まで下がっていると骨粗鬆症と診断されます。
骨密度を上げるためには、医師から処方される薬をしっかりと使用し、バランスの良い食事を心がける必要があります。
また、骨に刺激を与えることも大切だと言われています。
刺激を与えるために必要なのは運動です。運動とは言っても、高負荷の運動が必要なのではなく、歩行や上半身の筋トレを行うことで骨に刺激を与えることにより、丈夫にすることができます。
まとめ
今回の記事では、骨粗鬆症の検査について詳しく解説してきました。
骨粗鬆症は、50代から徐々にリスクが出始めます。若い頃の運動習慣や食事習慣なども影響してしまうため、不安な方も多いでしょう。
骨粗鬆症は自覚症状がなく、骨折をして初めて気が付くパターンが多いので、早めに自分の骨密度を知っておくことで、骨折のリスクを減らせる可能性があります。
まずは自治体で行なっている検査から受けてみて、自分の状態を把握していきましょう。
骨粗鬆症財団:どんな検査をするの?
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骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版
こちら