骨粗鬆症の症状について解説
骨粗鬆症は骨が脆くなることはわかるけど、何か症状ってあるの?
どんな症状が出ていたら骨粗鬆症なの?
このように、骨が脆くなって自分の体にどのような症状が出るのか、わからない方も多くいると思います。
今回の記事では、骨粗鬆症の症状について解説していきます。
Contents
骨粗鬆症の症状
骨粗鬆症は、基本的には無症状です。骨が脆くなるだけでは、痛みなどを伴わないことが多いです。
しかし、軽い衝撃で骨折をする可能性が高くなるため、転倒をしなくても骨折し、気づいたら背骨が折れていたという可能性もあります。
骨粗鬆症がひどい場合では、くしゃみをしただけ、重たいものを持っただけでも、背骨が潰れるように骨折をしてしまう場合もあります。
このような背骨の骨折を、圧迫骨折と呼びます。圧迫骨折以外にも、足の付け根の骨折、手首の骨折などを起こしやすくなります。
今回は、骨粗鬆症の方に特に多い、これらの骨折の症状についてもう少し詳しく説明していきます。
圧迫骨折で起きやすい症状
ここからは、圧迫骨折で起きやすい症状について解説していきます。
背が縮んだ
歳を重ねると、背が縮むと言われています。背骨は多数存在しているため、それぞれの骨が1mmずつ縮むだけでも、数cm身長が縮むことになります。
最近、物干し竿に手が届かなくなってきた、高いところのものを取ることが難しくなってきたなどの症状に心当たりがある方は、圧迫骨折をしていないかどうか、確認してみても良いかもしれません。
猫背になり腰も曲がってきた
背骨は、首の頚椎、背中の胸椎、腰の腰椎と部位が分かれています。圧迫骨折が起きやすい場所は、胸椎の下~腰椎にかけてだと言われています。
そのため、胸椎が骨折してしまうと猫背になってしまいますし、腰椎が曲がると腰が曲がってしまいます。
圧迫骨折を経験している方は鏡に映った自分の姿を見て、「ずいぶん腰が曲がったな」「姿勢が悪くなったな」と感じる方も多いので、姿勢のチェックをしてみると良いですね。
壁に背中をくっつけて立って、踵~後頭部までしっかりとくっつけることができれば、背骨の曲がりは大丈夫です。もし、アゴを上げるようにしないと後頭部がつかない、肩を壁につけることができないなどの症状があれば、猫背や腰の曲がりを疑います。
背中や腰が痛い
激しく圧迫骨折をしてしまった場合は、背骨が痛くて動くことができません。しかし、微細な骨折を何度も繰り返して、徐々に進行していく圧迫骨折の場合、弱い痛みが継続している場合があります。レントゲンを撮影してみて、初めて圧迫骨折に気づくケースも非常に多く見られます。
一度圧迫骨折をしてしまうと、背骨の湾曲が変わってしまいます。人間は適切な背骨の湾曲があるおかげで、頭をしっかりと支えることができたり、足からの衝撃を頭に伝えにくくしたりしています。
しかし、湾曲の程度が変わってしまうと、うまく衝撃を逃すことができず、背中の筋肉や靭帯などに負担がかかるようになってきます。すると、背中や腰の痛みに悩まされるようになります。
足の付け根の骨折の症状
転倒で骨折しやすい部位は足の付け根です。足の付け根の骨折の症状に関して解説していきます。
痛みが激しく立ち上がれない
足の付け根の骨折は、主に転倒で起こります。そのため、転倒の衝撃で足が折れてしまい、基本的には立ち上がることは困難になってしまいます。
運良く、ヒビ程度で済む方も中にはいます。ヒビの場合は、なんとか歩くことが可能なケースがありますが、歩いているうちに徐々にヒビが大きくなり、骨折に至るケースもあるため、転倒して足の付け根が痛む場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
人工の骨を入れる可能性も
足の付け根の骨は、構造上血流が悪く、骨折したら治りにくい場所とされています。
そのため、治療の選択肢になるのは、人工の骨にしてしまうということです。
人工の骨にすることにより、早く歩く練習を開始することもできますので、入院期間を短くすることができます。
手首の骨折
手首の骨折も、転倒で生じやすい骨折の一つです。
手首の骨折の症状に関して、解説していきます。
手が腫れる
骨折をすると、骨から出血します。手首を骨折すると骨折部から出血し、指先まで腫れてしまうことが多いです。中には、肘あたりまで腫れてしまう人もいます。
中で出血をしているため、アザのような色になってしまい、パンパンに腫れてしまいます。
手が痺れる
手首の周りには、神経が走っています。骨折の影響で神経を傷つけてしまうと、指先にまで痺れが出たりします。痺れだけではなく、痛みにも繋がったりする可能性もあります。
骨折だけでなく痺れもある場合は、指の使いづらさも出る場合があるため、医師へ早急に相談する必要があります。
金属のプレートで固定する場合も
骨折の程度がひどければ、金属のプレートで直接骨を固定する可能性もあります。
固定後は腫れの影響もあり、なかなか自分では手首を動かしづらい状況になります。
少しずつリハビリを行なっていき、手首の可動性を取り戻す場合が多いです。
まとめ
今回は骨粗鬆症の症状について、解説してきました。
骨粗鬆症の症状は、骨が脆くなるだけでは無症状ですが、骨折という形で症状が現れることが多いです。
骨折で多いのは、圧迫骨折や足の付け根の骨折、手首の骨折です。
圧迫骨折では姿勢の変化が起きやすく、足の付け根や手首の骨折では手術の可能性がある大変な骨折です。
日頃から骨粗鬆症を予防し、これらの骨折にならないように注意をしていきましょう。
・日本整形外科学会:骨粗鬆症
・日本整形外科学会:大腿骨頸部骨折
・日本整形外科学会:橈骨遠位端骨折(コレス骨折・スミス骨折)