帯状疱疹のワクチンのご案内

帯状疱疹ワクチンに関して

帯状疱疹ってどんな病気?

水痘と同じウイルスが原因で起こる皮膚疾患です。水痘が治癒した後もウイルスが神経に潜伏し、免疫低下や加齢に伴い、ウイルスが再び活性化することによって発症します。

皮膚症状の特徴として、皮膚に分布している神経に沿って、水疱が帯状に出現します。

通常、赤い斑点と水ぶくれが多数集まって帯状に生じるといった皮膚症状が現れると、ピリピリと刺すような痛みとなり、夜も眠れないほど激しい場合もあります。

1 週間程度経過すると、水疱が多発するようになり、発熱、頭痛、リンパ節腫脹などの症状も出現するようになります。通常 2~4 週間で水疱が破れて痂皮化し、皮膚症状が正常に戻ります。

多くの場合、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、神経の損傷によってその後も痛みが続くことがあり、3 か月以上痛みが続くものが「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれ、最も頻度の高い合併症となっています。50 歳代から発症率が高くなり、80 歳までに約 3 人に 1 人が帯状疱疹を発症するといわれており、50 歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち、約 2 割が帯状疱疹後神経痛になっています。

予防するためには?

2種類のワクチン接種があります。

  • 乾燥弱毒水痘ワクチン「ビケン」(生ワクチン)1回皮下に注射
  • 乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス筋注用」(不活化ワクチン)2回に分けて、筋肉内に注射

これらは、任意予防接種となっています。

どちらが効果があるの?

一般の 60 歳以上における乾燥弱毒水痘ワクチン(生ワクチン)の効果61%、70 歳以上では 55%、帯状疱疹後の神経痛への効果は 67%と報告されています。

一方、乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス筋注用」は 50 歳以上で 97%、70 歳以上でも 91%、帯状疱疹後の神経痛は 88%と非常に高い効果を示しています。


また、乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス筋注用」は血液がん患者さんを対象とした研究でも 87%と非常に高い効果を示しています。このため米国疾病予防管理センター(CDC)は 50 歳以上への帯状疱疹ワクチンとして、生ワクチンよりも乾燥組み換帯状疱疹ワクチン「シングリックス筋注用」を推奨しています。
※国立がん研究センター東病院「帯状疱疹について」参照

予防効果

免疫持続期間は乾燥弱毒水痘ワクチン(生ワクチン)が 5 年程度に対して、乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス」は、2022 年 10 月に 10 年は予防効果が持続することが確認されています。

副反応

副反応は、接種部位の痛みや、腫脹などの局所の症状と、筋肉痛、倦怠感、 頭痛などの症状が約半数に認められます。

費用

保険適用ではありませんので自費となります。
ワクチンが高価なため、費用は1回の接種の価格が22,000円で2回接種で計 44,000円になります。

大阪京橋イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック

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