骨粗鬆症の検査費用と内容について解説

骨粗鬆症の検査費用と内容について解説

骨粗鬆症の薬は高いけど、検査も高いの?

色々な検査をされると、医療費が心配。

検査費用って、どれくらいかかるかわからないですよね。

そこで、今回の記事では骨粗鬆症の検査費用と内容について解説していきます。

骨密度検査

骨密度検査は、各医療機関によって料金に差がありますが、自費の場合5000円~10000円程度の料金がかかります。3割負担の場合は1500円~3000円程度で検査ができる場合が多いです。

各自治体で行なっている骨密度検査は、500円程度から受けることができます。

骨密度の検査は3つの方法があります。

①二重エネルギーX線吸収法(DXA)

測定をする部位にX線を照射し、骨密度を測定する方法です。

検査台に横になり、立膝の状態と足を伸ばした状態で測定します。

両部位とも30秒程度で測定は終了します。

②MD法

アルミの板の上に手を広げて置き、レントゲン撮影をする方法です。

普段、病院等で使用しているレントゲン機器で測定が可能です。

放射線の被曝量も少ないため、体への負担も少なく検査が可能です。

③定量的超音波測定法(QUS)

踵や脛の骨に対して超音波をあて、骨密度を測定する方法です。

X線を使わないため、妊娠している方や、妊娠の可能性がある方でも安心して測定が可能とされています。

各自治体で行われる検査は、この方法が多いです。

レントゲン検査

レントゲンを撮る枚数にもよりますが、自費で2500円程度、3割負担だと630円程度の料金になります。

通常のレントゲン撮影をすることにより、背中や腰の圧迫骨折があるかどうかを判断します。骨粗鬆症が進んでしまっている方では、骨の境界が薄く不明瞭になっていることがあり、画像が見にくいことがあります。また、骨が潰れているかどうかの判断はできますが、今回できた新しい骨折なのか、古い骨折なのかは判断できないことがデメリットです。

しかし、手軽にすぐ検査ができるため、最初に行う検査としては有用です。

MRI検査

MRIの費用の目安は、自費で27000円~34000円程度、3割負担だと8000円~10000円程度の料金になります。

MRIは機械に入って、15分~30分程度、動かないようにしていなければいけません。

撮影時の音もかなりあり、狭い場所に入っての検査になるため、狭い場所や閉塞された場所が苦手な方には少し大変な検査かもしれません。

しかし、撮影された画像からは、新しい骨折なのか古い骨折なのかも判断することができますし、腰回りの神経の状態も把握することができます。詳しい状態の把握をするためには、行なっておきたい検査です。

CT検査

CTの費用の目安は、自費で20000~27000円程度、3割負担だと6000円~8000円程度の料金になります。

CTもMRIと同様に、機械の中に入って検査を行います。狭い場所が苦手な方は、検査が大変かもしれません。

CTは神経を映し出すことは得意ではありませんが、骨折の有無を判断するのには優れています。MRIよりも細かい骨折を見つけ出すことができるため、骨折の有無の判断はしやすい検査です。特に、「なんとなく腰の痛みが治らない」、「最近背が縮んだかもしれない」などの、いつの間にか骨折を判断するのに役立ちます。

血液検査

検査をする項目数にもよりますが、自費で8000円~10000円程度、3割負担では、2500円~3000円程度の料金です。

骨粗鬆症の血液検査は、ビタミンD、BAP(骨型アルカリフォスファターゼ)、ペントシジン、TRAP5bを測定します。

ビタミンD

血液中のビタミンDを測定します。ビタミンDの濃度が低下すると、カルシウムを吸収する能力が落ちてしまいます。このような状態が長く続くと、骨が弱くなってしまいます。

BAP(骨型アルカリフォスファターゼ)

BAP(骨型アルカリフォスファターゼ)を測定することにより、骨を作る骨芽細胞の状態や、骨の形成状態を知ることができます。

甲状腺の病気や、骨転移したガンがある場合などで数値が上昇します。

腎不全に伴う無形成骨症の場合は数値が下がります。

ペントシジン

ペントシジンは骨質の評価をするためのマーカーです。

骨粗鬆症以外にも、基礎疾患の有無や合併症によって、検査値に差が出てくるため、結果の解釈には注意が必要です。

TRAP5b

TRAP5bは、破骨細胞にのみ存在する酵素です。骨吸収が活発になると血液中にTRAP5bが多くなってくるため、骨形成のバランスがどうなっているのかを判断するのに役立ちます。

尿検査

尿検査は検査する項目にもよりますが、自己負担で6000円程度、3割負担で2000円程度です。

尿検査では、尿中のデオキシピリジノリン(DPD)という数値を見ます。デオキシピリジノリンは、骨のコラーゲンの部分に多く含まれているとされており、骨吸収が進んでいる状態だと、数値が高くなります。

まとめ

今回は、骨粗鬆症の検査費用と内容について解説してきました。

検査の内容を知ることで、どの検査で何を明らかにしたいのか、理解をすることができますよね。

検査の中には高額なものもありますが、自分の骨の状態をしっかりと把握するために、定期的に検査をいけていきましょう。

参考文献

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版
こちら
FALCO 臨床検査案内サイトTRACP-5b
こちら